1967年に発表されたビートルズの『Sgt.Peper's Lonely Hearts Club Band』は、ロック史上初のコンセプト・アルバムと言われています。
それまでのアルバムというのは、ヒットシングルの寄せ集め。
アルバム1枚丸々一つのテーマで構成するというのは発想すらしなかったようです。
このアルバムでは「サージェント・ペッパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」という架空のバンドがショーを行うという設定になっていて、それが全体のテーマ。
これ以降、コンセプト・アルバムというのが流行りにもなりました。
デビッド・ボウイの『Ziggy Stardust.....』などはその代表。
モノクローム・セットは『 Westminster Affair』で、架空の映画のサウンドトラックという凝ったアイデアを披露しました。
さて、
そういうのとはちょい違う最新の試みです。
音楽生成AIの「Suno」がV3 Alphaバージョンになって作曲能力が格段にアップしましたので、それを使って、プロのミュージシャンでも音楽業界人でもない素人がロックのコンセプト・アルバムを作ってみました! というもの。
「ロックのコンセプト・アルバムを作りたい。収録曲は12曲で英語。それぞれのタイトルと歌詞、曲調を頼む」
....こんな指示をChat GPTに入力してみたそうです。
するとChat GPTはその指示通りに12曲の概要を提示してくれました。
1.Echoes of Eternity: エピックなインストゥルメンタル。壮大なストリングスとパワフルなドラム。
2.Shadows in the Moonlight: ミステリアスなヴァースとクライマックスへ向けて構築されるコーラス。
3. Whispers of the Past: アコースティックギターとソフトなパーカッションによる穏やかなバラード
4.Through the Storm: インテンスでエネルギッシュなロック。激しいギターリフとドラムビート。
5.Crimson Skies: エレクトリックギターのソロが際立つミッドテンポのロック。
6.-Siren's Call: セダクティブなボーカルとエキゾチックなリズム。
7.Lost in Time: エモーショナルでメロディックなロックバラード。
8.Ritual of the Night: ダークでリズミカルなロック。トライバルなリズムビート。
9.Echoes Reprise(interlude): インストゥルメンタル。アルバムのテーマを反映した短いオーケストラピース。
10.Beneath the Veil: ソフトロック。アコースティックギターと優しいピアノのアレンジ。
11.Whirlwind of Fate: ファーストペースでエネルギッシュなロック。
12.Endless Echoes: エピックで感動的なフィナーレ。フルオーケストラとパワフルなコーラス。
小池百合子か? と言いたくなる謎の横文字が多い(笑)
12曲を一つずつ作ってゆくのですが、Suno V3 Alphaは1回の試行で最大120秒の曲しか作れないので、作曲を繰り返して長尺の曲を完成させます。
こうして完成した12曲。コンセプト・アルバムにする為に曲間の繋ぎをLogic proを使って手作業でスムーズにします。
ついでにアルバムのジャケットデザインもChat GPTに考えてもらって、Memeplexで生成。
それがコレです。
アルバムタイトル『The Odyssey of Echoes』
いかにもプログレっぽい。
ここまでやったんだからバンドのメンバーも作ってしまえ!
バンド名はミッドナイト・オデッセイ。
女性ボーカルのいる5人編成。
もちろん、この人たちはAIの生成物ですので実在しません。
そしてバンドのプロフィール。
【ミッドナイト・オデッセイ】2015年結成。深みのある歌詞と独特のメロディックアプローチで知られており、リスナーを魅了してきました。彼らの音楽スタイルはプログレッシブ・ロックとアート・ロックの影響を受けており、神秘的で抒情的な要素を取り入れたサウンドを特徴としています。
2022年、才能ある女性シンガーの加入によりバンドの音楽的範囲はさらに広がりました。
5人のメンバーそれぞれに名前があってプロフィールもあります。
ボーカルのお姉さんはリリー・フォードというそうです。
ベーシストの名前がマイア・チャンというアジア系なのはいかにも....
そしてAIが考えたアルバムのテーマは、
このアルバムでは、エピックなインストゥルメンタルから心暖まるバラード、エネルギッシュなロックまで、多彩な音楽スタイルが展開されます。古代の秘密から未来のビジョン、超自然的な現象まで、様々なテーマが織り交ぜられており、聴く者の想像力をかき立てます....
文章がいかにもAIですね(笑)
教科書的な文体で。
「プログレッシブ・ロックとアート・ロックの影響を受けており...」の下りはちょいおかしい。
「プログレッシブ・ロック」というのは日本独自の言い方で、イエスやキング・クリムゾン、ピンク・フロイドのようなバンドは欧米で、「アート・ロック」と呼ばれております(笑)
つまり、「プログレッシブ・ロック」と「アート・ロック」は同じもの。
この架空のロックバンド、興味ある方は検索して聴いてみて下さい。