「世界終末時計」というのがありますね。
核戦争による人類滅亡を午前0時になぞらえて、残り時間を●分と設定。
第二次世界大戦終結後の1947年、アメリカの学者が核戦争の危機を警告したものです。
最初は学会の会報に掲載されました。
ノーベル賞受賞者や各国の科学者、識者などが関わったこの時の人類滅亡までの時間は「23時53分=あと7分」
その後、ソ連が核実験に成功すると「人類滅亡まで残り3分」になります。
米ソが水爆実験を敢行したり中国やインドが核兵器を保有したり危機が拡散。あるいは米ソが核軍縮に合意したり。
その度に終末時計は進んだり戻ったりしています。
東西冷戦が終結すると「残り10分」
ソ連が崩壊すると「残り17分」でこれがたぶん過去最長。
しかし、その後は針が進むのみ....
もちろん、人類滅亡のリスクが核戦争だけでなく気候変動・異常気象なども考慮せねばならないような地球になった事が大きいのですが、先月発表された世界終末時計が示した人類滅亡までの時間、どれぐらいだったでしょうか?
....90秒。
世界終末時計の現在時刻は23時58分30秒です。
「もしトラ」という言葉がここ何カ月かで言われるようになりました。
「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」というベストセラー本を略して「もしドラ」と呼ぶのをもじったもの。
もしドナルド・トランプが大統領になったら....
共和党の大統領候補予備選、アイオワ州、ニューハンプシャー州の初戦・第二戦に勝利したトランプ氏、有力対抗とみられていたデサンティス氏が撤退表明、トランプ支持に回った為、指名候補に向けて大きく前進。
昨年発表された「2024年 世界10大リスク」のトップが、今年行われる大統領選によるアメリカ社会の分断です。
前回の大統領任期中を評して、トランプはよく見ればそんなムチャな事はしていない。一度も戦争をしなかった、と言う声もあります。
確かに、「一度も戦争をしなかったアメリカ大統領」は少ないのですが、現代ではそれが逆の目に出る
可能性の方が高い....
トランプ氏は中国や北朝鮮、ロシアなどの独裁者が自国の社会を制御する能力を公然と評価しており、憲法を一時停止、司法省を使って "バイデン犯罪者一家" を追い詰めると宣言しています。
そして外交では、NATO脱退の意向を明確にし、「規約的に正式な脱退が難しい場合でも、ヨーロッパを外敵から守る為に介入するつもりはない」
これはNATOの集団安全保障を無視するのと同じ。
ロシアのプーチン大統領は間違いなくトランプ氏の大統領返り咲きを望んでるでしょう。
トランプ氏の理屈は、同盟国を犠牲にして進んで譲歩する事。
この理屈はヨーロッパ限定ではなくもちろん東アジアにも適用されますから、「もしトラ」は他人事ではないんです。
また、トランプ氏はアメリカに輸入される全ての外国商品に一律10%の関税をかけると主張しています。
友好国もそうでない国も区別ナシ。
悲しいかな、アメリカの威信と力はまだまだ大きいので、トランプ氏が大統領になればエラい事になります。
共和党の最大のミスは、この4年間でバイデンに対抗できる有力候補を作れなかった事。
民主党も民主党で、高齢で任期全うできそうにもないバイデンに代わる候補を作れなかった。
ものすごく残念な事ですが、最もマシなのは民主党バイデンが大差でトランプ氏に勝つ事。
これしかありません...
最悪なのはバイデンが僅差で勝つ事。
トランプ陣営はまた「票が盗まれた!」とわめき、トランプ支持の保守陣営は怒り狂ってもしかしたら暴徒化する....
南米やアフリカあたりの失敗国家で起きるような事がすでに4年前にアメリカで起きてますからね。
日本の保守層もなぜかトランプ支持者が少なくないようです。
確かに、日本にとってはアメリカは民主党政権より共和党政権の方が良いんですが、それはトップがマトモな場合のみ。
もしトランプが大統領になったら
ではなくて、
このままじゃトランプが大統領になってしまう