『アナログ』(2023年)
監督:タカハタ秀太
原作:ビートたけし
脚本:港 岳彦
出演:二宮和也、波瑠
最近、令和の今の時代と昭和の違いをネタにした番組がものすごく多いです。
局としては "有りネタ"を使い回しするだけでロケに行く必要もなく、スタジオでひな壇芸人並べてコメントさせときゃそれなりに絵になる。
安上がり。
テレビ局も予算がないんですかね...
でもあまりにも同じパターン。
もう飽きました。
さて、映画『アナログ』
この物語の原作の刊行は2017年。描かれている背景も昭和ではありませんが、アナログ.... そのタイトル通り昭和臭がプンプンします。
手作り模型や手描きイラストにこだわるデザイナーの二宮和也は、自分がデザインした喫茶店で「みゆき」と名乗る不思議なお姉さん、波瑠に出逢います。
お姉さんに一目惚れしたニノは、毎週決まって木曜日に店にやって来る波瑠に会う為に自分も毎週木曜日に店に通う事になります。
ニノが律儀に木曜日に店に行くのは、波瑠が携帯電話を持っていないから。
彼女に会う為には店に行くしかないのです。
今どきスマホ持ってへんの?と突っ込まれたらそこでもう、この映画には入り込めません。
しかし、
(想像ですが)そういうツッコミをする人はほとんどいないのではないでしょうか。
それほどにこの映画の設定は自然です。
そもそもこんなアンティークな喫茶店が今どきどこにあるのかとも思わない。
シチュエーションが押し付けがましくないのです。
しかし、
ニノがプロポーズする事を決意し、指輪を買って店に行くと、その木曜日に波瑠は店に姿を見せませんでした.....
非常に抑制の効いた演出で、「さぁ、ここで泣け!」みたいなシーンもあるのにサラッと流れる。
姿を消した彼女の秘密とは?
現在上映中ですのでネタバレはやめておきますが、
久々に邦画の良作を観た気がします。
原作がビートたけしとは意外。