『ガルシアの首』(1975年/アメリカ映画)
監督:サム・ペキンパー
脚本:サム・ペキンパー、ゴードン・T・ドーソン
出演:ウォーレン・オーツ、イゼラ・ヴェガ、ギグ・ヤング
じりじりと熱いメキシコの砂漠と砂埃..... バイオレンスの巨匠サム・ペキンパー作品の中で最も暑苦しく、最もB級度の高い怪作です。
メキシコの大地主の娘が妊娠しました。
相手は不明....
父親は激怒し、手下を使って娘を痛めつけた末に、
娘を孕ませた男は「ガルシア」という男だと突き止めます。
そして父親は「ぶっ●してやる!」と、ガルシアの首に100万ドルの賞金をかけます。
この賞金に飛びついたのが、しがない酒場のピアノ弾き・ウォーレン・オーツ。
どん底の生活から抜け出す為、ガルシアを探す!
しかし、オーツの情婦のイゼラ・ヴェガ姉さん、「アンタ、その男はもう死んでるのよ」
え....?
いや、
「ガルシアの首を持って来い!」
そう、死んでいてもいいんです。
首を持って行けば100万ドルが貰える。
オーツは情婦のイゼラ・ヴェガと共に、ガルシアの首を求めて2人で彼の故郷の埋葬地へ向かいます。
しかし、
賞金を狙っているのはオーツだけであるはずもなく、何者かが2人の後をつけていました。
埋葬地でガルシアの墓を掘り起こし、死体の首を切り落としたオーツ、背後からいきなり殴られて気を失ってしまい、果たしてどれぐらいの時間が経ったのか....
意識を取り戻した時に首は持ち去られており、イゼラ姉さんは無残な姿で殺されていました。
ガルシアの首を取り戻す!
...ざっとこんな話ですが、ペキンパーらしくてペキンパーらしくない、一部でカルト的な支持を得ている作品です。
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さて、
この話....
ススキノ首狩り一家。
犯人は女装した男?との説もありましたが、逮捕されたのが29歳の女。
後追いでポツポツと情報が出ていますが、登場人物が増え、実に不可思議な事件になりました。
精神科医の父親が、精神を病んで引きこもりの娘に振り回されて、そこに母親も絡んでいたという構図。
殺害現場となったホテルの部屋から犯人=娘の指紋は検出されなかったそうです。
精神を病んでいる.... というワードの割には娘の顔写真が出回っていますね。
刑法39条案件だとマスコミは一斉に尻込みして報道を控えるんですが。
そのうち顔写真も名前も伏せられるんでしょうか。
それにしても事件そのものよりも不気味だと思ったのは近所の住民の方々の証言です。
住民同士のつながりがムダに濃密なド田舎とも思えないのに、近所の皆さんは実に詳細にこの家族の事をご存知。
何時に帰って来たとか、帰宅してもすぐに家に入らず車の中にいてカップ麺食べたはるとか、娘さんは引きこもりだとか....
「監視していたわけではないのでよく知らないのですが」と前置きしながら、「昔は庭もキレイにしたはったのに最近は雑草生えて」とか、やけに詳しい(笑)
ホテルに入ったのは娘と被害者の2人なのは間違いなく、どうやら互いに面識はあったようです。
そして室内でノコギリで首を切り落として、それを持ち帰った。
父親が迎えに来た.... 母親も首が家にあるのは知っていた....
まだまだ後追い情報は出て来ると思いますが、動機も行動の意味もわかりません。
シンプルに考えれば、事前に父親と一緒にノコギリやスーツケースを購入したり、指紋が残らないように犯行を行って、父親が迎えに行ったり。
かなり用意周到な犯罪ですから動機は怨恨。
首を切り落として持ち去ったのは遺体の身元をわからなくする為。
あるメディアによると、犯人の娘は被害者から何らかの性的被害を受けており、家族で復讐に立ち上がった? とか??
でも、そんな単純な構図でしょうかコレ??