幻想ロマンポルノ | 5番の日記~日々好日編~

5番の日記~日々好日編~

気の向いた時に気の向いた事を勝手に書いています。
よってテーマは剛柔バラバラです。



日活で助監督をしていた相米慎二監督が唯一撮ったロマンポルノ作品。


『ラブホテル』(1985年/ディレクターズ・カンパニー、日活)

監督:相米慎二

脚本:石井隆

出演:速水典子、寺田農、志水季里子


山口百恵の「夜へ...」や、もんた&ブラザーズの「赤いアンブレラ」が印象的に使われており、相米監督の代名詞である "長回し" が作品に幻想的な効果を加えている隠れた傑作。





人生に絶望して自殺しようとしている寺田農。

この世の名残り、最後にヤリたい!とラブホテルに入ってホテトル嬢を呼びます。


しかし、やって来たお姉さん・速水典子の生命力に魅せられて自殺を思いとどまりました。



そして2年後、

タクシー運転手として働く寺田農のクルマに偶然、あの時のお姉さん・速水典子が乗って来ます....




石井隆脚本ですので、主人公の名前は「名美」と「村木」

だいたいワンパターンで似たような男女の再会モノですが、ドロドロ愛憎劇とは少し色合いが違って、この作品では「村木」の妻にもスポットが当てられており、異色の人間ドラマになっています。



この作品、ポルノ映画のはずなのに、何度も深夜枠でテレビ放映されていましたね。




大島渚監督の『愛のコリーダ』を巡っての "猥褻裁判" の際に検察側が、「ポルノ映画で感動するなんて事があるのか?」と発言、傍聴席から「何たる無知...」という声が上がったそうですが、これに対して弁護側は「ありますよもちろん」と答えています。