旅のエッセーと食のエッセー、どっちが好き?
というお題です。
旅のエッセーを書けばそのほとんどは必然的に食べ物も付いて来ますから、これは純粋な紀行文と純粋な食レポという事でしょうか。
食のエッセーというと、それが何であっても似たような表現になりがちなので、私的には旅のエッセーの方が面白く読めます。
知らない土地だと好奇心を刺激してくれますし、知っている場所だと「あぁ、あそこにあったなあ」とちょっと嬉しくなったり。
面白くないのは、高級ホテルで贅沢三昧!
リア充アピール全開! のような旅エッセー。
勝手にやってろと(笑)
トラブル続出な貧乏旅の方が圧倒的に面白いですよ。
あくまでも他人事という条件で。経験するのはゴメンですが。
食べ物のエッセーというのはあまり我が家の書棚にはないのです。
なぜ?
食べ物エッセーを面白く書いてる人をあまり知らないから。
難しいのかもしれませんね。
エッセーは読み物ですから文字主体が基本。
記事で勝負せずにグルメガイド本のように写真を並べるわけにもいきません。
料理写真をアップしてるSNSがバカみたいでウザいように(必死に写真アップしてる心境って何なんでしょう?・笑)
.....かと言って食べ物のウンチクだけ並べられましてもこれまたウザいだけだし、
でも、ある程度そういうものも混じえないとただの感想になってしまいますし。
私が敬愛する居酒屋評論家の太田和彦氏のエッセーは何冊かあります。
写真などナシ、文字だけでもこの人の本は面白いですね。
これが本ではなくて映像となると、簡単なようで別の難しさがあるようです。
旅レポ番組や街歩き、田舎歩きの番組は山ほどありますが、面白いものは少ない。
食レポ番組となるともっとひどくて、軒並みゴミばかりです。
食レポは本当に難しい。
語り口も食べ方も見せないといけませんから、上手い人は正に才能です。
ナントカの一つ覚えのように口に入れてから
「んん〜〜!」はアカン。
んん〜禁止にしろ! と思うぐらい(笑)
最近なぜか流行りなのが、
「優しい味ですね」というフレーズ。
優しい味って何?
とりあえず無難な表現を探してたらそうなった?
でも文字にすると、不思議な事に「優しい味」はそれなりに説得力を持ちます。
例えば、
「見た目もグロテスクで、いかにも辛そうな濃い色合いなのに、これがまた意外に優しい味なのだ」
とか。
とにかく、食のエッセー、食レポは難しいのです。