改装工事の為に10年近く休館していた京都の堂本印象美術館が4年ほど前にリニューアルオープンしておりまして、かなり現代的なものに生まれ変わりました。
金閣寺から瀧安寺、仁和寺へ向かう「きぬかけの路」の途中、立命館大学の前にあるこの美術館で
"音のハーモニー" という企画展が昨年末から開催中(3月26日まで)
ポスターの絵柄は楽器を演奏する人たちを描いたもの。
他には平安時代の浄土図を再現した作品や小唄を歌うお姉さんたちを描いた作品などがあります。
1891年生まれで1975年に亡くなった日本画家・堂本印象氏はその生涯に膨大な作品を残していますが、「絵には音がなければならない」と語っていたそうで、戦後は多くの抽象画を手がけました。
代表作は上の写真、色彩と構図で交響曲を表現した『交響』という作品。
音や音楽を感じる事ができる絵....
古いレコードジャケットの絵は当たり前ですが、さすがに音を感じるものが大半。
日本の古い絵では、『風神雷神』なんかは音が聞こえて来そうですし、切手にもなって有名な喜多川歌麿の『ビードロを吹く娘』も ♪ポコペン という音が聞こえて来そう。
北斎の富嶽三十六景『神奈川沖浪裏』なんかは波の音を感じます。
私の師匠は、「どう表現するか、ではなく、"何を"表現するかだよ」と、しつこく言ってました。
基本的に技法の問題ではないと。
その通り、作家が音を表現しようとしない限り、出来上がった作品から音を感じる事はないのかもしれません。
もちろん、見る側にもそれなりの感性がないとダメでしょうねぇ.....