「一人殺すのは犯罪者で、百万人殺せば英雄だ」
この有名なセリフで映画史上に残る作品との評価を受けている
『チャップリンの殺人狂時代』(1947年/アメリカ映画)
監督・脚本:チャールズ・チャップリン
出演:チャールズ・チャップリン、マーサ・レイ
あの有名な反戦メッセージは強烈であった分、副作用も大きく、アメリカの批評家や観客の非難を浴び、上映ボイコットの州が出たり、チャップリンが「赤狩り」でアメリカを追われるきっかけともなりました。
チャップリン演じる、金持ちの女性を相手に保険金殺人を繰り返す主人公は、これまでの山高帽にドタ靴ではなく、高級品を身につけたかなりお洒落な紳士です。
私生活でも次々に嫁ハンを変え、新人女優に認知問題で告訴された自分自身を素でやってるんじゃ? とも思えて、これはチャップリン流の身体を張ったブラックジョーク?
評価の高いこの作品ですが、私的にはあまり好きではないんです....
連続保険金殺人で逮捕された男が「百万人殺せば英雄じゃないか」と言うのは、戦争という愚行の本質を突いてるからギョッとしますが、よ〜く考えてみれば己れの殺人が免責されるわけもなく、スピード違反のネズミ捕りでキップ切られたDQNが警察官に向かって「もっとスピード出してる車あるやないか! 何で俺だけやねん!」と逆ギレしてるような。
居直りの屁理屈以外の何者でもないのですよ(笑)