黄金の10年(3)・“ヤングライオン”ホセ・ピピノ・クエバスの巻 | 5番の日記~日々好日編~

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よってテーマは剛柔バラバラです。

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普通なら横に揺れるはずのサンドバッグが縦に揺れていました。
…1976年に、18歳7ヵ月という当時の世界最年少でWBA世界ウエルター級王座に就いたホセ・ピピノ・クエバスが、初防衛戦の為に来日した際の公開練習の風景。


パンチが当たれば即KO。
それほどクエバスのパンチ力は桁外れでした。
挑戦者・辻本章次は6Rに3度倒されてKO負けでしたが、後から見ればこれは大変な善戦。
クエバスはタイトルを11度防衛していますが、その中で最終ラウンド開始のゴングを聞いたのはたった1人。
5人の挑戦者が2R以内に沈められ、アゴの骨を砕かれて病院直行になってます。

爬虫類のような無表情と獰猛な試合ぶりで対戦相手を恐怖に陥れたクエバス。
メキシコが生んだ最高傑作の1つでした。


即戦即決のクエバス神話が突然終わったのは1980年。

12度目の防衛戦の相手は身長185センチ、リーチが2メートルのNEW怪物、トーマス・ハーンズ。
クエバスは“何もさせてもらえず”暴風雨のように打ちまくられて2RでKO負け。

マスコミの見出しは全て、「ニューチャンピオン誕生」ではなく、
「クエバスが負けた!」

そしてウエルター級は新時代に入りました。