一口デビューから4年目の今年、年末を待たずに出走はなさそうな気配。
我が愛馬たちは頑張ってくれました。
そんな中、気が付きました。
一口馬主をするにあたっての仕組みを書いてみようと。
さて、ここでそもそも一口馬主とはいったいどんなものなのか、4年間キャロットクラブと広尾サラブレット倶楽部で経験したことを踏まえて、悲喜交交書いてみたいと思います。
- まず、一口馬主とはなにか?
一口馬主(ひとくちうまぬし、ひとくちばぬし)
受ける。「クラブ馬主」「一口クラブ」ともいう。
(ウィキペディアから引用)
要するに1頭の馬を複数名で権利持ち分を分割し
て出資する仮想馬主(ファンド)のようなものか
と思います。
- クラブ選び
私が現在出資しているクラブはキャロットクラブ
のみですが、愛馬の出資が決まってからデビュー
までは相当期間がかかるケースが多いため(概ね
1年から2年)、即デビュー出来そうな馬が残って
いた広尾サラブレット倶楽部でもお世話になった
ことがあります。
現在、クラブは22クラブ。
40口から10000口まで幅広く、好みに応じて選択できます。
ブリーダークラブの人気はやはりノーザンファーム系列。
ノーザン系クラブとして、サンデーレーシング、社台サラブ
レットクラブ、G1サラブレットクラブなどの40口クラブ
同じくノーザン系のキャロットクラブ、シルクホースクラブ
はそれぞれ400口500口となっています。
また、日高系ではノルマンディーオーナーズクラブやラフィ
アンターフマンクラブ、ウインレーシングクラブが根強い人
気があります。
その他はいわゆるバイヤー系(セリなどで馬を仕入れてくる)
と言われます。新興クラブとしてインゼルレーシングができ
た他、DMMバヌーシや広尾サラブレット倶楽部、サラブレ
ットクラブライオンなどは最大10000口で募集するなど小口
出資が可能なクラブもあります。
尚、最も古参なクラブは友駿ホースクラブ愛馬会となり1975
年に発足しています。
- 馬を購入(出資)する
問題の馬の出資(購入)ですが、購入方法は先着順や抽選が
一般的です。このため、ほしい馬に必ず出資できるわけでは
ありません。
大半のクラブは馬の保有=入会となり、入会金が発生します。
一部クラブでは先に入会してから、馬の購入となる場合もあり
ます。
そして、人気のある馬だから大きなレースを勝てるわけではあ
りません。逆に売れ残っている馬でも活躍する馬がいるのも
事実です。
加えて、馬券と違い、一口馬主では、賞金がつく着順で走って
くれれば配当となりますので勝つことだけが全てではありませ
ん。
実際に一口馬主をやられている皆様がそれぞれのゴールを決め
て保有されていると思いますので、楽しみ方は千差万別。
ここに一口馬主の面白さがあります。
私は愛馬が大好きユーザーですから、たとえ、未勝利で引退
しようとも悔しさは残りますが、歩んできたこの過程もまた馬
を持つ意味なのだと理解しています。
愛馬の子どもたちにその夢の続きをみせてもらいたい。そんな
想いから、母馬優先制度のあるキャロットクラブを選んだとい
うのもあります。
主観はこのくらいにして、
通常、馬は生まれた年を当歳馬と表記され、翌年1歳馬の春こ
ろから募集が始まります。デビューは2歳6月の新馬戦からに
なりますからデビューの早い子でも1年は寝かせる必要があり
ます。
基本的には3歳の8月末までに勝ち上がれないと引退となる
ケースが大半で、1勝でもしていると、牝馬なら6歳の3月。
牡馬もだいたいそのくらいまで走ることが多いようです。
つまり、1歳の募集時期はまだ馬は完成しておらず、その
中から血統や馬体の成長過程、厩舎などから馬選びをする
こととなります。
馬代金は口数に応じて分割され、一括もしくは分割で支払
うこととなります。ご利用は計画的に。
- 費用維持費はどうなる?
費用はどんなものを負担するのか。
まずは箇条書きで。詳細は後述します。
➀入会金がかかります。
②毎月クラブへの会費が発生します。
➂馬の維持費が発生します
④毎年12月に損害保険料が発生します
⑤海外遠征時は遠征費が発生します
⑥賞金発生時、報酬等を負担します
⑦ビッグレースを勝つと祝勝会記念品代を負担します
➇そもそも馬代金(出資金)を負担します
➀先に説明しましたが、クラブで馬を保有するとクラブに
加入することとなるため入会金が発生します。
クラブによっては入会金免除キャンペーンもある場合が
ありますが、おおよそ10000円から30000円程度。
1回のみの支払いです。
先に会員になることが必要なのはDMMバヌーシーなど
で、入会金が発生しない場合もあるようです。
②クラブへ入会すると毎月クラブ会費が発生します。
主にクラブの運営費になるものです。
おおよそ3000円(税別)程度発生します。
クラブによっては1頭あたりいくらとして、最大料金を
設定している場合(3000円から5000円)もあります。
クラブの主な仕事は、ホームページなどの愛馬の更新や
会報誌の発送などですが、これは会員向けのもので、
ファンクラブ会費みたいなものとなります。
➂今の維持費は、基本的には実費を口数で割る仕組みが
大半を占めています。一部定額の維持費のクラブもあ
りますが、本当にこれはその馬によって違います。
目安としてキャロットクラブ(400口クラブ)を参考に
してお話すると、牧場にいるときと厩舎にいるときでは
費用が変わります。
牧場にいるときは、概ね30万円から40万円程度を分割
するのでおおそよ1000円前後。厩舎にいるときは、概
ね60万円程度を分割するので2500円程度の維持費が発
生します。
初回の維持費の際、予備費を含めて実費ではなく、初回
維持費名目でプール金を受け入れているクラブが大半で、
前後する費用をそこで賄っています。基本的には賞金から
も一部負担されているので、毎年4月頃年次分配なる配当
で還元されたり、引退時に精算されるケースがあります。
④1歳の年末から毎年12月に馬代金の5%の損害保険金を負
担します。2歳時100%、3歳時から減価償却後の残価に対
して保険料を負担します。
⑤海外遠征に対して、遠征費がある場合、馬の輸送には数百
万から1000万円超の遠征費がかかります。もちろん口数
に応じて分割されます。実際に60000円程度負担という話
もありました。応援に行くとすれば香港で一人部屋三十万
という噂ですから、海外行くのも、複雑な方も多いんでし
ょうかwww
⑥愛馬が賞金を稼ぐなとすると、報酬を、支払うこととなり
ます。騎手などに20%が引かれます。その他一口馬主特有
の愛馬会とクラブ法人の関係でおおよそ総賞金の53%を、
口数で分配することとなるようです。
⑦ビッグレースを、勝つと祝勝会や記念品を作成することと
なります。
➇馬に出資するに当たって馬代金を、支払います。
支払いは主に一括と分割で支払うことができます。一括の
場合は2%割引など割安になる場合もあります。また、キャ
ンペーンで4口まで無料でプレゼント、馬代金の半額をキ
ャッシュバックなど、工夫をこらした募集があるクラブも
存在します。そして、なんと言っても、その馬たちを購入
するには厳しい抽選をかいくぐる必要があります。
ノーザン系クラブでは、全て満口になるほどの人気ぶりで
ほしい馬が買えないこともたくさんありますのでご注意く
ださい。
- 馬を買うには?
例えばキャロットクラブであれば、現在、新規会員さんが馬を買うには、既存会員の1次募集で残った馬を抽選で当たるかどうかという狭き門になっています。会員は買えるのかといえば、そう簡単ではなく、低確率の抽選が鬼門です。そうとはいえ、最優先という一頭だけ優遇される権利が与えられることと、元所有馬の子供(母馬優先枠)という自分血統は優先的に買える権利があるのが特徴です。
新規で入会したあとはほしい馬が買える可能性が高くなる権利がある状態ですね。
母馬優先は東京サラブレットクラブとノルマンディーオーナーズクラブ、京都サラブレットクラブにもあるようです。
詳しくないのでサラッと書きますが、シルクホースクラブでは抽優制度という、新規さんにも当たる確率の残る制度が残っています。しかし、実績性という厳しい抽選制度によりシルクでたくさん馬を持ってる人ほど馬に当たりやすい制度となっているため、複数頭所有にはハードルがあるようです。
サンデーレーシングなど40口クラブは一口の価格が高額になるケースがあります。
- 賞金はどうなるのか
賞金は一着から八着まで、出走手当などは毎度つきますので、走ったらゼロということはありません。クラブによっては少額の配当のときは一定額になるまでプールしておくクラブも存在します。
そのほか配当されるものは、怪我をしたときの保険金や、年次配当があります。ファンドが解散したときは清算金が分配されます。
引退時は繁殖牝馬となった場合は馬代金の10%で引き取られます。かの有名なアーモンドアイも10%でした。
種牡馬となれば、相当な配当が期待できます。
時折サラブレットオークションに売られるても配当が得られます。
- 大まかなスケジュールは?
1歳で募集→2歳6月からデビュー→牝馬は6歳の3月で引退、
牡馬もその頃で引退するケースがあるかと。
ちなみにどのクラブも権利を譲渡することはできません。
つまり、基本的には途中でやめることはできないのです。
自身が亡くなったときは相続という形は認められています。
しかし、すべての権利を放棄すれば、一応、退会という形
で辞めることは出来ます。
要するに複数頭持っていたとして、一頭だけ走らないから
放棄したいは認められません。
また、一口馬主界隈で話題になりましたが、DMMバーヌ
ーシーだけは馬が引退するまでやめられない仕組みになっ
ているとかいないとか。
- ランギロアが考える一口馬主の醍醐味とは
キャロットクラブなど一部のクラブではありますが、母馬
優先制度というものがあります。
これは所有馬の子供を、優先的に申し込みできる制度です。
愛馬の子供に出資して、そのまた子供にと、血統のストー
リーを楽しむのもまた、競馬の醍醐味です。
愛馬の子供でなくても、推しの馬の血統を、繋がる血のス
トーリーを楽しむのもブラッドスポーツなる競馬の醍醐味。
これから始める方の参考にならないかもしれませんが、
ダラダラと長々とグータラ書いてみたものが何かのきっ
かけになればと思います。
私は一口馬主を始めたことで、キャロットクラブのオー
プンチャットに参加し、そして派生オープンチャットの
単複貴公子さんのオープンチャットにもお邪魔して、た
くさんの参加者さんと交流させていただきました。
おかげでたくさんの知識を頂けました。
私の愛馬たちのおかげでたくさんの人に出会えたことが、
何よりも代えがたい財産。
そして、今年生まれたデスティノアーラの2023が、セリでキャロットクラブが落札され、順調に行けば来年、キャロットクラブで募集されることになるはず。こんなにワクワクすることはありません。来年はこの子にノールックで最優先申し込みしたいと思っています。
そして、デスティノアーラの今年の相手は
エフフォーリア
キャロットクラブの同期でG1(皐月賞、天皇賞(秋)、有馬記念)3勝馬との組み合わせ。
少しお母さんと同じく丈夫で、少しだけ大きく、そして少しだけ強く生まれてきてほしい。
そして願わくば、キャロットクラブで募集されることを祈っています。
私はディープインパクトが亡くなったことで、ディープインパクト産駒を所有してみたいが、一口馬主を始めたきっかけですから、デスティノアーラがこのあと夢を繋いでくれるのが本当にうれしくてうれしくて。
長々とありがとうございます。