毎年奈良に行き、奈良公園のたくさんの鹿について、不思議だなと思っていたことがあります。
鹿の糞を掃除している風景を見たことがないのです。
糞が自然に帰るにしては、鹿の量が多すぎるのではないかしら!?

 

ある日、!!
その理由がわかりました!

 

奈良公園には、フンコロガシという糞虫がたくさんいるのだそうです。
ファーブル昆虫記でもお馴染みのフンコロガシです。
一般には「糞を食べるコガネムシの仲間」のことを指すそうです。


エジプトの王家の墓からも、スカラベ(糞虫)を模したたくさんの装飾品が出土しています。

日本には約160種類の糞虫が生息していて、奈良県ではそのうち60にも上る種類が確認されているそうです。
特に、私が目を奪われたのは、奈良を代表する糞虫「ルリセンチコガネ(種名はオオセンチコガネ)」。


日本の糞虫の色は、赤銅色、銅色、青緑、赤紫の色ですが、奈良に生息しているものだけが、美しい瑠璃色なんだそうです。

昔、瑠璃色の玉虫(タマムシ)に魅せられた私としては、ルリセンチコガネの昆虫標本に魅入ってしまいました!
しかし、今は玉虫が生存できる自然が少なくなって来たので、
玉虫を身近に見ることはできなくなりました。


実は、法隆寺にある「玉虫厨子(たまむしのずし)」には、昔は玉虫の羽が全面に貼り付けられていて、瑠璃色に輝いていたそうです。
今でも、わずかに痕跡が残っています。
復元された玉虫厨子は、瑠璃色に輝いていました。

フンコロガシは毎日セッセと働いて、鹿の糞を自然に返してくれているのです。鹿の糞の掃除屋さんなんです!

 

糞虫が作る球の大きさは、動物の大きさに比例しているそうです。
象の糞の掃除屋さんの糞虫は大きいそうです。

 

館長の中村圭一さんは、昆虫少年が、そのまま大人になったような方です。
NPO法人自然体験活動推進協議会、自然体験活動指導者(NEAL)資格保有、シニア自然大学校認定 自然観察アドバイザーなどの活動をされています。
糞虫たちが、末永く暮らしていける環境という視点から、自分たちの環境も守りたいと考えておられます。

 

小さな糞虫館ですが、素敵な展示の仕方をされている糞虫ギャラリーを、是非訪れてみてください。

 

私も今度、孫と一緒に糞虫観察ツアーに参加したいと思っています。

ならまち糞虫館について2019.06.11 奈良県ビジターズビューローの「奈良体験.com」に『奈良公園糞虫観察ツアー』が登場! 自然の中でじっwww.hunchukan.jp

 

実は、生薬として、昆虫類を用いることがあります。


生薬としての昆虫については、また別の機会にお話しいたします。