利回りの罠 | 中国地方の大家の不動産賃貸業日誌

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先日石渡さんのメルマガを見て、今更ながら「ハッ」と思ったんですが、

 

 

不動産の利回りというのは実は不動産の時価が変動しない場合の理論上の利回りなのです。

 

 

例えば他に誰も絶対買わない廃墟不動産を買ってリフォームして賃貸に出して利回り20%の物件をつくります。

 

 

単純計算で投資額は5年で回収できるわけですが、

 

 

利回り20%を「実現」するには、5年で初期投資額を回収して、更に初期投資額で売却する必要があります。

 

 

例えば300万円の初期投資した物件が、毎月家賃5万円を生みながら5年後に300万円で売れる必要があります。

 

 

金融商品で考えても300万円で買って年20%の配当をもらって、300万円で売れて初めて利回り20%になります。

 

 

これが例えば売りに出しても売れなかった場合。(金融商品は売れますよね)

 

 

5年で300万円の家賃や配当をもらって、初期投資が損金になるので300万円引いて利回り0%。(5年は赤字)

 

 

10年で600万円の家賃や配当をもらって、300万円引いて、10年で300万円、つまり利回り10%。

 

 

その後更に持ち続けると20年で1200万円-300万円=900万円 で利回り15%になります。(20%に届かず)

 

 

金融商品も不動産も、価格の変動を考慮しなければ表面利回りで運用できることになりますが、

 

 

実際は価格は常に変動しますし、不動産は時価が非常に複雑ですし、流動性も低いです。

 

 

ここ数年は不動産価格は上昇局面だったので、買った価格よりも高く売れるため、

 

 

利回りは表面利回りで確定できていましたが、

 

 

仮に不動産価格がどっと下がって売るに売れなくなった場合は、

 

 

上述したように利回りは表面利回りより激減し、利回りの回復までに超長期の期間が必要になります。

 

 

不動産の出口(売却価値)というのは、

 

 

利回りの確定のためにも非常に大切だということになります。

 

 

逆に、これはもう他に誰も買わないという物件を高利回りで買った場合は、

 

 

実際の利回りは非常に低くなるということを考慮しておくことが必要かもしれません。