相談員が全員面接をやらない理由 | 中学理科教師のつぶやき

中学理科教師のつぶやき

中学校理科教師として25年。ひとつの意見として、ここに私の日々考えたことを記録していきます。同業の方、現役生徒、現役親御さんとのネットでの交流もできるといいですね。

マスク2枚が国民を動転させています。

 

東大出た人たちがたくさん居るはずなのに

そんなことになるなんて

やっぱり「学力」はたいした物差しではないなと。

 

さて

 

世の中の話題はおいといて

この隙に学校のいろいろを思い出して

記録しておきます。

 

学校に教育相談員と呼ばれる人が

配属されている場合があります。

 

現職中に教育相談担当をしてたときは

各担任、学年と相談員さんをつなぐ役割をしていましたし

今現在は、教育相談員を非常勤職員としてやっています。

 

過去に学校長から

全校生徒と相談員さんの面談を設定してくれないかと

持ちかけられたことがあります。

相談員さんから、全校生徒と面談したいという申し出を

受けたこともあります。

スクールカウンセラーさんについても同じような全員面談の話が出ることがありました。

 

私が教育相談担当、生徒指導部長として

そのような提案があったときは

全て却下してきました。

 

全員面談はやめましょう。

 

全員が相談員さんと面談する理由がないからです。

 

基本的に生徒に悩みや相談事がなければ

相談員さんの出番はありません。

出番のないときの相談員さんは

相談室で待機しているか

生徒の活動をニコニコして見ているだけ。

 

もちろん、生徒からの相談事があれば

本領を発揮して相談にのり悩みを聞き

適切なアドバイスなり、担任などの指導に

つなげたりするわけですが

 

出番のない状況に時間を費やすのは

なかなかの苦痛というか不安というか

辛い時間を過ごすことになります。

 

また、相談員さんの周りの職員も

なかなかの苦痛というか不安というか

辛い時間を過ごしてたりします。

 

だって

 

一見何にもしない職員がいるんですから

どうも尻の座りが悪いのです。

なんかしなくちゃ悪いかな?

なんか頼まなくちゃ悪いかな?

なんであの人は何にもしないんだ。

もっとできることがあるはずだ。

 

なーんて思考がはたらいて

結果として「全員面談」みたいな

やった感じがする企画が持ち上がるのです。

 

でもね。

相談員って、相談以外の生徒指導とか作業業務とか

やっちゃいけないんですよ。

雇用条件の中にあるはずですし

実質としても、相談が発生したときに

それに集中できなかったら

相談員の意味がありませんから。

 

暇だからって、別の業務をすることで

「先生」になったり「忙しい人」になったら

うっかり相談できないじゃないですか。

 

ですから

 

相談員は、相談がないときは暇にしてないといけないのです。

暇でやることがないのも仕事のうちなんです。

そして、相談員さんがずーっと暇なのが理想的なのです。

警察や消防が暇だと良い町でしょ?

相談員さんが暇なのは良い学校なんですよ。

 

そういう覚悟を相談員さんは持たなくちゃいけないし

周りの職員は理解して協力しないといけない。

 

 

なんで全員面談が否定されるかというと

うっかり全員面談すると

眠っていた問題を掘り起こすことにつながるからです。

 

生徒に限らず人間は

「何か悩みはありますか」と問われると

全力で「悩み」を探します。

 

人間は生きていれば必ず不具合がありますから

全力で探せばいくらでも「悩み」を探すことができるのです。

 

非常勤の職員である相談員が

それらに対応できるはずもないし

中には対応不要の「悩み」もあるのです。

 

こちらから悩みを聞いといて

ああ、それはどうしようもないねーとか

それは悩みじゃないねーとか

担任の先生に相談すればとか

もしも そのような回答をしたら

その生徒は相談員を信用しないでしょう。

ひとりの生徒の不信感は100人の生徒の悪評につながります。

 

暇だからと言って

学校や生徒を荒らしちゃいけません。

何もないなら、何もない方が良いのです。

 

これは、問題を見て見ぬ振りをすると言うことではありません。

対応が必要な問題に備えて、相談の場を整えておくということです。

 

最後に

 

全員面談が必要な場合もあります。

全校生徒が災害や事件、事故などにより

何らかの精神的なショックを受けていると予想されるときです。

 

予想外の無関係な生徒が

精神的な被害を受けていることがありますから

それを見立てるために全員面談が必要になるのです。

 

こういうときは、そういうのが得意なベテランの教師か

専門的な訓練を受けたカウンセラーさんがやらないと

意味がなかったりします。

 

あと、全員面談をやると効果的なのは

校長とか教頭とかの管理職です。

この場合のねらいは、生徒の悩みを聞くためでなく

学校全体の信頼感、親密感を高めるためにやるのです。

 

ということで

次回も全員面談を提案されたら

やめた方が良いと提案します。

 

それでも、「やって」と命令されたらやりますけど

多分私がやると、生徒から問題や悩みがぞくぞく出てくると思うし

私と生徒の信頼感、親密感が高まって

担任さん達の立場がなくなると思います。

ま、そうならないようにやるんだけどね。

そうすると、生徒が相談員を信頼しなくなるんだよね。

あはは。