「渦の向きは南半球と北半球では逆」はウソ!? | 中学理科教師のつぶやき

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中学校理科教師として25年。ひとつの意見として、ここに私の日々考えたことを記録していきます。同業の方、現役生徒、現役親御さんとのネットでの交流もできるといいですね。

テレビを見ていて大ショック。


くりいむしちゅーのハナタカ優越感という番組。
常識と思われている「ウソ」を紹介していました。


ほうほうとおもしろがってみていましたが

風呂の栓を抜いたときの渦の向き

北半球と南半球で逆向きになるというのが

ウソという事実!?

まじですか?


中学2年生の天気の変化

低気圧、高気圧が

それぞれ左回り、右回りとなる理由について

コリオリの力を紹介しながら説明するのですが


身近なコリオリの力の例として

件の風呂の渦の向きについて紹介しています。


そのほかにも


水道の水がひねりを加えながら出てくるのも

コリオリの力の例だね。

南半球に行くと、逆回転になるのです。


なーんて紹介していたのですが

ななんと


ウソ!?



大ショック。


20年間、ネタとして使っていたのに・・・。


番組の説明によると

コリオリの力が発揮されるためには

地球規模の大きさの流体が必要なのだそうで

水の場合なら

少なくとも琵琶湖程度の量の水が

一カ所に集まってくれば

(または、一カ所から周囲に広がれば)

コリオリの力によって回転するのだそうです。


風呂ぐらいとか、水道の水程度の量では

そのような回転する力は生まれず

もし回転するとしたら

蛇口の形状とか

周りの物理的な環境による偶然と

考えられるということです。


いや、いや、いや、いや。


大ショックですわ。


理科教師、見てきたようなウソを言い。

という川柳がありますが、ホントだわね。


いままで、説明を感心して聞いてくれた

生徒の皆さんごめんなさい。




でもなあ






テレビだからって言っても

バラエティー番組だからなあ。


その「ウソ」という情報も

ちゃんと調べないといかんなあ。


番組の中で

「竜巻程度でも回転の向きは決まっていない」

と言っていたけど

竜巻程度の規模は小さくないだろうよ。


そもそも


回転運動自体が

コリオリの力によるんじゃないのか?


などと


脳内では1人討論会が始まっていますけど

結局、科学の結論は

理屈でなくて実験で決着をつけるのが

原則ですから


もう一回事実を確かめて見なくちゃいけません。


舌の味を感じる細胞の分布が

ウソだったと知ったとき以来のショックだわ。


あーあ。


なんか、オーストラリアに行く必要が出てきましたよ。