中学受験生を教えていると、なかには非常に凄い記憶力を持っている生徒がいることに驚かされます。
今回は、中学受験生を教えて感じた「長期記憶」と「短期記憶」の話。
●6年前の雑談を覚えてる【長期記憶】
中学受験指導をして中高一貫校に入った男子生徒が、高校2年になってフラッと塾に立ち寄りました。
初めに教えたのは小学校3年の時。
高校2年になると、ずいぶん大きな体格になっていました。
いろんな雑談をする中で、私はこんな話をしました。
『今年の夏に和歌山市まで出かけたけど暑くてしんどかった。』
すると、久々に話をした高校2年生は、こんな反応を示したのです。
『じゃあ、行ったことないのは山口市だけだね』
・・・・・・・
実は小学5年の時に、こういう話をした記憶があります。
『私は旅行好きで、全国に足を運んでるよ。三内丸山遺跡、登呂遺跡。高野山に比叡山。
県庁所在地でほとんど観光してないのは和歌山市と山口市だけかな。』
・・・・・・・
6年経っても、どうでもよい雑談の中身を覚えていたのです。
スゴイ記憶力です。(御三家に近い私立中を受験しましたが、成績と関係あるのかもしれません)
記憶力がスゴイ彼らの姿を見ていると、必死に努力して覚えるのではないと感じます。
ポケモンの「ライチュウ」「コイキング」「イーブイ」といった名前を覚えるのと同じく、「自然と覚える」「興味あるから覚える」という感覚に見えます。
歴史の本をざっと読んだだけで、武田信玄の家老の名前を5人以上も覚えてしまう強者もいるのです。
興味関心を持つ力、パッと頭に入れる吸収力がスゴイ受験生に、普通の受験生が太刀打ちするのは、簡単ではありません。
●メモ書き無しで解ける【短期記憶】
もう1つの記憶、「短期記憶」がスゴイ生徒もいました。
短期記憶は、電話番号を1分だけで良いから覚えておくような記憶です。
数分間だけ覚えておく「短期記憶」がすごい中学受験生を、何人か見てきました。
算数の文章題を解くには、線分図などの図を書いて、途中で計算して出された速さや長さをメモ書きするのが大切になります。
ところが、面倒な文章題を、メモ書き無しで解ける人がいるのです。
(芝浦工大柏中・平成27年3回)
手もとにある過去問を探してパッと出てきたのが、こちらの問題です。
60円のなし、100円のりんごが同数なら、1個当たり平均80円と考えて解きます。
(100+60)÷2=平均80円
もし全部80円なら80円×50個=4000円
4000-3200=実際は800円安い
800円÷(80-40)=20個
40円は20個、60円と100円は共に15個。
この問題は、芝浦工大柏中の受験生でしたら、解き方は分かると思います。
ですが、答えにたどりつくまで長い問題ですから、面積図や式を書く必要があります。
このレベルの問題を、筆算を全くしないで解ける生徒がいるのです。それも短時間で。
私だって、このようなやや長い問題を筆算なしで解くのはシンドイです。
間違えのもとになりますから、必ずメモ書きします。
たとえば点Pと点Qが複雑に動く問題では、折り返す場所に「12秒後」などと書き込むのが基本となります。何も書き込まないで解こうという生徒がいますが、これは「手を動かして頭を楽にする」原則に反します。どんどん書き込むのが大切です。
ですが・・・、50人に1人くらい、書き込まなくても頭に入っている人がいるのです。
複雑な流水算だと、船の静水時の速さ、上りの船の速さ、川の流れが2倍になった時の下りの速さ、など様々な速さが出てくるのですが、メモ書き無しで区別できる短期記憶がスゴイ人がいるのです。
短期記憶が優れていても、悲惨な時があります。
生徒がマイペース過ぎて、指導者が理解の無いスパルタだと悲惨です。「俺の言うことに従えコラ!」と脅かされますので、合う指導者に出会えるかが伸ばせるか大きなポイントになります。
(私は確固たる信念を持って生徒に厳しくあたるタイプではなく、生徒の現状を踏まえて適切な指導を考えるタイプです)
★ ★ ★ ★ ★ ★ ★
【PR】プロ家庭教師の御案内
私は中学受験のプロ家庭教師で、算数と理科を教えています。
当面は、SkypeまたはZoom利用でのリモート指導をしています。
★80分の指導1回で7000円(月4回だと28000円)
★リモートのため全国どこでも可能。
★過去問解説は、ほとんど塾では対応不可ですから特に効果的です。
★前日までの連絡で一方的に指導を打ち切れます。
詳しくはこちらをご覧ください↓