家庭教師と個別指導塾では、先生は生徒の近くに座って教えるのが原則です。
今回は、座る場所を選べるなら、どこに座るのが適切なのかという話です。
部屋のプリント類の片づけをしていたら、20年くらい前に個別指導塾の新人研修用の資料が出てきました。
新人研修というと、「お説教」中心になりがちなので、クイズ形式で技術を身に着けてもらおうと、私が作った資料です。
ここで問題です。
【問題】
よこ60cm、たて40cmの机を3つ並べて1対1で指導することになりました。
A・B・Cのどこに座ると指導がしやすいでしょうか?
Aは生徒の右です。
Bは生徒の左です。
Cは机をはさんで生徒の正面です。
条件によって、適切な席は変わることもありますが、
原則は決まっています。
どこでしょうか?
【解答・解説】
★まず、Cは良くありません。
説明を書くときに逆向きになり、生徒が読みにくくなります。
ホワイトボードを使って書く場合、資料集が充実していて上位生を教える書く必要が無い時くらいでしょう。
(まあ、男の先生が中学生以上の女子を教える場合は、Cの席が良いという人もいますが)
★次にAとBを比較します。
全員右利きとすると、先生が右のA席に座ると、生徒が解いている途中は、生徒の腕に隠れて先生は覗きにくくなります。
その反面、Aだと先生のノートに書いた説明をすぐ見ることができます。
B席だと完全に逆になり、先生は生徒の書いている式を見やすいものの、先生の説明は見にくくなります。
いわば、一長一短なのです。
とはいえ、大半の場合は
先生は、生徒の右のA席に座るべきと思います。
家庭教師・個別指導塾の指導の多くは、分からない点を先生が説明する時間になります。
学年・成績・教科にはあまり関係ありません。
(個別塾で考える習慣をつけるという言い方は、先生1人に生徒3人で十分に教えられないから、自分で考えるしかないという状況を開き直っているようにしか思えません)
いかに生徒に理解してもらうかが大切なのです。
ですから、中学受験の算数なら、先生が式を書いて説明している途中に腕に隠れて式が見えない状態だと、理解できません。
先生が生徒の書いている途中が見にくいというデメリットはありますが、必要なら「途中まで式見せてね」と言う、「先生が姿勢を変え覗き込む」など、対処できます。
ちなみに、A席の隣で、生徒と90度向きを変えて座るのも、良いと思います。
文章でも式でも、正反対180度向きを変えたら読みにくいですが、90度ならさほど難なく先生は読めます。
そして、生徒の腕で見にくければ、目の位置をずらしてのぞきやすい位置に視点をずらすこともできます。
一度、左利きの生徒を教えたことがありますが、非常に教えやすかったです。2人で同時に式をノートに書いて、同時に見ることができるのですから。
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家庭教師をご家庭で迎える際は、部屋の机の配置が可能でしたら、先生は右、生徒は左に席を設けると良いでしょう。