江戸川学園取手中学の入試が1月17日に行われた。
この日の朝は、比較的暖かかった。早朝激励する塾関係者の一人としては、ありがたかった。雪でも降ったら、もう大変だ。
この日は、8:30を過ぎても、受験生がどんどんやってきた。聞けば、取手駅からのバスが混雑して、2本3本見送って、やっと乗れる状態だったそうだ。取手駅からのバスなら、開始時刻を過ぎても気にする必要はない。走ってくる受験生は見かけなかった。
さて、この1回目入試だが、国語が非常に難しくて、受験生が苦戦した。
60分で150点満点の入試だから、大問は3つある。
【大問1】
森鴎外『鶏』・・・表記は読みやすく修正してある。冒頭の一部を紹介すると、
「一本の蜜柑の木を東に回ると勝手口に出る。婆さんが味噌汁を煮ている。別当は馬の手入れをしまって、蹄に油を塗って、勝手口を見た。」
なお「勝手口」と「別当」には注がついている。
【大問2】
将棋面貴已『反「暴君」の思想史』(平凡社新書)
難しい熟語が目立つ。「権理通義」「切歯扼腕」「『暴君』だけに咎を負わせる」とか難解な長文だ。」
【大問3】
永井均『ウィトゲンシュタイン入門』(ちくま新書)
哲学書のような文だ。
多くの受験生が、思うように点を取れなかったと思う。自分が国語で4割しか取れなくても、さほど他の受験生に後れをとらなかったと感じる。
国語を難しくした意図は分からない。
ただし、私の推測では、算数数学は、吸収力・理解力が平均に達しなくても、努力で一定レベル「中の上」程度に届くことが多い。しかし、国語力が低い場合は、伸びに限度がある・・・という気がする。実際は、どんな意図だろうか。