2025年3月9日(日)
尾張旭市文化会館にて尾張旭市文化会館自主文化事業「あさひ春クラ」~地元音楽家によるクラシック祭り~に、一般社団法人日本ピアノ調律師協会中部支部が企画協力という形で参加し、演奏会の中で「ピアノ解体ショー」を行いました。
日本ピアノ調律師協会では4月4日はピアノ調律の日ということで一般の方々への調律の啓蒙活動としてよんよんコンサートを開催してまいりましたが、今回はその活動の一環としての意味合いも込めて参加させていただきました。
出演は尾張旭市出身で世界的に活躍している田所光之マルセルさん、
愛知県出身の3人で結成されたTorio Reson (トリオレゾン)«フルート・妹尾寛子さん/ヴァイオリン・中瀬梨子さん/ ピアノ・桐山尚子さん»、
愛知県旭野高校及び愛知県芸術大学音楽学部声楽科卒、同大学院主席にて修了のソプラノ・奥村育子さん
第一部は田所光之マルセルさんのピアノ演奏
そして、田所光之マルセルさんの演奏の間に、ピアノ解体ショーをするという、
とても斬新なプログラム構成ですが、これは以前に尾張旭市の小学校のアウトリーチ活動として一般社団法人ジモートアートが企画した学校の45分授業で、ピアノ演奏とピアノ解体ショーをやった内容を元にして企画されているので、今回もマルセルさんの演奏の合間に解体ショーを行いました。
解体ショーの解説は中部支部・広報担当の伊藤嘉奈子が務め、
解体の作業を中部支部・事業部長の加藤明さん、中部支部・安田佳奈子さん、そして急遽手伝っていただいた中部支部・副支部長の宮北治朗さんの3人で行いました。
画像はピアノアクションを引っこ抜いた空っぽのピアノの中を見てもらっているところ。
アクションを取り外した鍵盤部分を見てもらっているところ
次はアクションを分解していくとどこまで細かくなるか、一体どれだけの数の部品でピアノは作られているか、という説明のために分解したハンマーアッセンブリと、
サポートアッセンブリの分解した標本。なんと、サポートアッセンブリはバラバラにすると30個のパーツに分かれました。
そして響板の上にオルゴールを置いて、どれだけピアノが弦振動を大きな音にしているかという体感をしてもらいました。
手に持っているだけでは聴こえないオルゴールの音色が、響板の上に置いただけで客席の皆さんに聴こえる音量で鳴った時は、客席からどよめきが起きました。
ピアノは楽器の王様であること、沢山の部品から構成されて作られている、
気の遠くなるような細かな調整をする調律師と、それに呼応するようにピアニストが音楽を創り出していく。そんなお話で最後を締めくくりました。
第二部は
Torio Reson (トリオレゾン)さんの演奏と
ソプラノ・奥村育子さんの演奏。
そしてTorio Reson (トリオレゾン)さんのとソプラノ・奥村育子さんのアンサンブル
来場者は想定をはるかに超える671名。
地元の新聞にも掲載されたこともあってか、当日券が80枚程売れて、受付で用意していたプログラムが足りなくなるという盛況ぶりでした。
ご来場者プレゼントとしてハンマーヘッドをお土産に用意いたしました。
こちらのハンマーは新品で500個以上あるのですが、中部支部賛助会員の川本ピアノサービスさんより、この「春クラ」のために特別にご提供いただきました。
ありがとうございました。
そしてこのハンマーに穴開けして紐を通してくれたのは中部支部・木部純子さん。
かなり間際にハンマーをお渡ししたのでとても大変だったかと思います。
そしてロビーには調律師協会のコーナーを作ってくださって、アクションモデルを置いてあったのですが、誰か付いている人が欲しいと会館さんから言われ、どうしようかと思っていたところ、
何か手伝うことはないかと早めに会場に来てくれた小野支部長。
急遽お願いし、開場時から一部が終わるまでは受付の番人をしていただくことに。
支部で割当で送られてきていた数百部の「音の扉」も調律師協会の宣伝のため、ご来場者の方にお配り致しました。
受付では何人かの方に調律についてとか、調律師を探しているとか、学校へのハローワーク事業のこととかを尋ねられまして対応させていただいたのですが、少しでも地域の方に調律師としてお役に立てたならよかったなと思いました。
終演後、受付ではハンマーのお土産にお客様が殺到・・・。
あっという間にお土産の籠は空っぽになりました。
よんよんコンサートを支部単独で開催するには、どうしても支部から金額の補助が必要になるため、今回はこういった形で共催のような形で調律の啓蒙活動を行いました。
今回、解説を私、伊藤が担当しまして、本番二週間ほど前の会場打ち合わせで、色々と段取りが代わり一から台本を作り直し、内容もご要望によって変更したりと前日まで台本を書き換えていたため全く暗記ができず、舞台では台本を持って話すことにしたのに老眼鏡を忘れ、手元の台本の文字が全く読めず、本番中も何度か台本をガン見させていただき、失笑を買うという反省点だらけの出来栄えでしたが、舞台では加藤さん、安田さん、宮北さん、舞台袖でモニターの切り替えの木部さん、ビデオと写真撮影の酒部さん、お客さんとして来場したのに午前中から終演まで一度も客席に入れず受付で調律師協会コーナーに付いていてくれた小野支部長、中部支部の皆さんのチームワークで乗り切れたピアノ解体ショーであったと思います。
本当に有難うございました。お疲れ様でございました。
(記 : 広報 伊藤嘉奈子)
