本当に嫌な思いをしました

なので 口が悪くなる描写があり

お目汚ししてしまうかも知れませんが

ご理解ください



「いや、だからさぁー

     どーすんの?」

初老の訪問医は言った



【注】紫は私の心の声です




「自宅介護にしようと思ってます」

だから あなたと面談してるんだよねー



「自宅介護って大変なんだよ?

         わかってるのかなぁ」



わかってるわ!!

「でも 父の容態が悪くなってきたら

      緩和病棟に行く事も考えてます」





「はぁ?あのねぇ、具合悪くなったからって

簡単には緩和病棟へは行けないんだよ。

ベッドの数だってあるしさぁ。」



「先日ソーシャルワーカーさんが幾つか病院を

ピックアップしてくれた中から選んで

お伝えしようと思って 今日 来ていますが」



「え?まだ決まっても いないの?」


「ええ、急がなくて良いと言ってくださったので」




「ふーん、で、

 本人はどこで死にたいって言ってるの?


は?


「ど、こ、で、死にたいの?」



ソーシャルワーカーさん 慌てて仲裁に入る

「ご家族の意向もあって

 癌の告知はしていますが、

     余命までは本人に伝えていません」


「え?伝えてないの?

 え?余命どの位って言われてるんだっけ?」


「3ヶ月です」



「え?3ヶ月?(薄笑い)

 あのさぁあ、肝硬変も起こしてるんだから

 3ヶ月もつわけ ないじゃなーい。

 なんで 言わないのさぁ」



「手術も治療も出来ないのに

 余命だけ伝えて どうするんですか?

 ただベッドの上で その時を待つしか

 出来ないだなんて、そんなツライ思いを

      父にさせたく ありません。

 だから、こちらの先生方にもお願いして

 余命のことは 伏せてもらっています」



「あのねぇ、3ヶ月なんて待たないで

  もうすぐ死んじゃうかもよ


「だから 言っちゃった方が良いよ、うん」







お前も同じ病気、病状になって

死んでしまえ!!!


と、思ったけど 大人だから言うのを我慢した。





医者だからね、いろんな患者さんを診てきて

「3ヶ月って言われてるけど、いや 違うな」とか

思ったのかも 知れない。


でも、医者ならば

もうすぐ死んじゃうかもよという

発言って……違うよなぁ。

しかも もうあなたも大人。

言葉選ぶってこと しようよ。


悔しくて、悔しくて

涙がボロボロこぼれた




医者だから あるべき姿を

求めているわけでは ありません。

でも、こうあって欲しくない…と望むのは

間違いですかね?



膝を擦りむいて病院に

来ているんじゃ ありません。

「命」がかかっているんです


ただの「その人だけの命」ではなく、

色んな人の人生も関わってくるんです





やっぱり,長くなりました

つづきます