「八十八歳」



「米寿」



「元気だね」



どの言葉をとっても、どうも響きが弱い。



どこか当たり前か、それよりも蓋然性が高いかのように。



「はちじゅうはち」



これだ、何だかしっくりくる!



今日は祖母の「はちじゅうはち」回目の誕生日、俗に米寿と呼称されるお祝いごとをした。



久しぶりに家族5人が揃い、本格広東料理の【桃源】へ。



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現況だったり今後のことを沢山語り合ったが、私たち4人が口を揃えて発する言葉が「ヤバい」「若い」であったりする。



私なぞ、本意気で「世界長寿記録行こうよ!」と弾んでしまったほどだ。



それでも…



「はちじゅうはち」



自分なんかよりも、多くの経験に裏打ちされた、不思議な説得力。



とても躍動的な語り口だ。



今回の話では、私の血筋に関わることなど非常に興味深く、「長男だから」と特に私に目を輝かせて聴かせてくれた。



千葉の土地のこと…



鎌倉、そして北条家のこと…



なかでも大きく心を打ち鳴らされたような気分にされたことがある。



私の父方の祖父は、私の父が、現在の私と同じくらいの歳の頃に亡くなった。



そんなわけで、私自身は“その人”のことを何も知らなかった。



ただ…



「ガチガチの公務員だった」



「(昔から我が家にあった六法全書について)親父が裁判所で使っていたもの」



「(私に対して)祖父はお前に似てる」



それくらいのことだった。



しかし今日、祖母との食事で知ったあるエピソードで全てが動き出した。



国家公務員であった彼は、常に全国各地を移動する命にあったわけだが…



自らの母親を独りにしておくのが耐えられず、あろうことか全ての指示を撥ね退けていたそうだ。



それを「なんて馬鹿なこと」「もっと素直になってたら、きっとずっと昇進できただろうに」と笑いながら話す祖母に、私も釣られるように笑顔になってしまった。



表面的にはそう振舞っていたのだろうが…



内心は、とても文字になんて、言葉でさえ説明のつきようのない感情だった。



それでも不器用な真面目さで仕事に取り組み、当時の内閣総理大臣に顕彰されるようにまで、その労を惜しまなかったそうだ。



裁判所で働く前に、“私のお祖父さん”は戦地にも赴いたらしい。



幼い頃に家のどこかで見ていた、額縁に入った彼の顔がぼんやりではあるが思い浮かんできたような気がした。



どこで戦ったか、そういう話は祖父も覚えていないらしいが…



死と隣り合わせで、生を知る場。



そんな極限状態において、彼が如何なる行動に身を馳せていたか…



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確信をもって、私には語り継ぐことが出来るはずだ。



おっと!



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家では姫君がお待ちになっておられた!
予定していたとおりに、慣れ親しんだ銀座へ行ってきた。



まずは、久しぶりにどうしても訪れたかった場所へ。



まるで雨水がその音をもって語りかけてくるように…



シラカンバがその匂いをもって心を潤す空間へ。



ここへ来ると、異国情緒とは違う不思議な気分に陥り…



温もりとは異なる安心感に浸ることができる。



そこでは、白髪が何とも印象的で優しそうな老人紳士と、息子だろうか紳士と似つかないような厳かな雰囲気をもつ聡明そうな男性がいる。



私は私用を済ませつつ、彼らとの会話を心から楽しんでいた。



その中では、この春から私が国家公務員になること、そして次の春には航空管制官になることまで話題に上る運命となった。



男性の知り合いには、現在防衛省の事務方で活躍するご友人やら、パイロットをしている人がいるそうだ。



彼自身も何だか航空関係、さらには時事のことまで詳しく、私との会話は驚くことに弾んだ。



最初の少し険しそうな表情からは真逆の印象を抱いていたのかもしれない。



そんな若い2人の様子を、新たにその場に足を踏み入れた人との融解へと自然な導きを成しえたのが老人紳士だった。



やはり優しそうな、いかにも子供が大好きな…



若い芽の育て方を心得ている笑顔だった。



望んだとおりの時間が過ごせたことに、一瞬のあっ気なさを感じつつ…



とにかく幸せな気持ちになった。



その後も少し考えていたことを終わらせ…



“いつものように”スターバックス銀座マロニエ通り店へ。



まったく意図していなかったのだが、明日13日は当該店舗の9周年記念日のようだ。



そして、2階ではライブが行われるようだった。



しかも、私自身はテレビでしか拝見したことが無かったが、その女性のボーカルと歌詞が非常に印象に残っていた「indigo blue」がこれから演奏するという。



嗚呼、何とも素晴らしき哉!



かつて文豪が書いた、あの光景のようではあるまいか!



そして現れた彼らは、やはりテレビの中で笑顔でインタビューに応えていた2人だった。



とても人の良さそうなKouさん、そして…



初見で、その外見から既に惹かれるもののあったボーカルのRinaさん。



彼女の魅力は思っていた停止位置に止まらなかった。



今回は英語詞の曲が全体として多く、そのため彼女の英語力が光った、否、私の中では光り輝いていた。



たった2年間のイギリス留学を経た私が言うのも恐縮だが、とても綺麗で流れるよう、それでもはっきりと抑揚をつける歌い方に心を奪われた。



約30分ずつ2回に分けて行われたライブ、もちろん続けて…



文字通り、心逝くまで酔いしれた。



立て続けにサンプルのビバレッジを届けてくれた店員の方にも感謝したい。



私たちでindigo blueさんと共に贈った「ハッピバースデー」は、何だかずっと忘れない気がする。



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これだから、このカフェが大好きなんだ。
僅かの期間であるが続けていたバイトを終えた。



こんなに短い間しか在籍できなかったにも関わらず…



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そこでの仲間が、最後の最後に花束を贈ってくれた。



全く思いも至らなかった。



というより…



大変に忙しい時期、そのタイミングで離れざるをえない状況を作ってしまった後ろめたさから。



むしろ「静かに、ひと言くらいでお別れをしたほうが…」とまで考えてしまっていた。



横浜駅に降り立ち、そんな自分がいたことを素直に恥じることになった。



本当に嬉しくて、それまで抱いていた痛みにも似た申し訳なさが、ものの見事一気に反転した。



たくさん迷惑をかけたことへ心から「ごめんなさい」と言いたいこと、そしてそんな自分にも丁寧にイロハを教えてくれたことに感謝しています。



とても素晴らしい個性と、少しの間でも共存できて幸せだった。



そして彼ら以外にとても印象に残っている、たった数分の出来事があった。



是非ともここに綴っておこう。



「ヘルマン・ヘッセの『知と愛』という本は…」



きっと半世紀なんてもんじゃない。



私とその男性にとって、時間なんて…



〝心の旅〟に関係ない。



それを実感した瞬間だ。



ありがとうございました。
この春、私は国家公務員になる。



そして次に桜が咲き始める頃には、空港のいちばん高い場所で…



自分の愛した眺め、パイロットと共に空を飛んでいるだろう。



ここまで至るスタート地点とも言える場所から、2通の手紙が届いた。



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古い自分を殺し、身を焼き尽くし心を凍らせてまで…



新鮮な空気にありつこうと必死になっていた自分だ。



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全てが甦る。



眼前にガラスのような湖が広がる。



足許に波紋が響く。



Sigur Rós - Hijomalind





全ては氷に還る。



私は歩く。
TOHOシネマズ川崎にて『ハート・ロッカー』を鑑賞してきた。







アカデミー作品賞を受賞したことは、さらに多くの人に鑑賞されるということ。



今回の受賞は、そういう理由から素直に喜ばしいことだと思う。



鑑賞して分かった、どうしてこの作品が賞賛されるか。



とにかく痺れる。



それは単なる緊張感や、辛気臭い危険な香りによるものではなく…



現実に身を置くことへの、“間接的な”恐怖感からくる。



ある意味、究極のバーチャルであり…



何か差し迫るもの、日常を不安感で襲いかねない刺激で満ちている。



あらゆるものへの耐性が無い。



それどころか、架空という名の「言い訳」で囲われた…



爆弾処理が「普通」である世界。



序盤で私たちの目の当たりにする爆発の光景。



「死の領域」とは何なのか?



“たったの”25メートルが、私たちにとっての認識とどう異なるのか?



不可能を可能にする映画とはいかない。



しかし、出来うる限りにおいて最大限に可視化したのではないか。



個人的には…



爆弾処理班の鮮烈なまでの美しさに惹かれた。



多彩な美辞麗句で讃えられもし、時によって差別的な批判の中心となる選民的な立場…



それがまさに彼らの如きプロフェッショナルだと感じた。



ウィリアム・ジェームズ二等軍曹(ジェレミー・レナー)やJ・T・サンポーン軍曹(アンソニー・マッキー)たちの表情から汲み取ることのできる切なさ。



静かなる表情から燃え滾る熱情と使命感は、そこに戦争における善悪の判断を困難の淵に追いやる代わりに…



最も漸進的で、クリアーな私たちの視点を要求する。



そういう意味で、急迫な任務に立っているのかもしれない。



日本が直面する危険なんて…



そう考えると胸が窒息しそうに震えるのを感じる。



核に関する密約が話題を攫う国より。
「ハイチ」



自分が心にぶら下げる、あらゆる願いの束。



その気持ちが拍車をかけたのは事実だ。



川崎にある【カフェ・ハイチ】へ行った。



ここの名物はハイチ風ドライカレー。



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初めて見る独特のスタイル、そして漂う香り。



まるで海の男の荒々しさと森の神秘的な優しさを感じるようだ。



どっしりとペースト状になるまで煮詰められたカレーは、辛さを甘みが小気味よく追いかけ、赤道を上へと高く引き付けるような躍動を感じる。



なるほど外見通りに独特な、言われなくとも“そういう”国柄を感じる美味しさである。



追加料金で上に黄身のみ、もしくは目玉焼きとして卵を載せることが出来る。



個人的には辛さも程よい(実際はペッパーまで振りかけていた)が、一般的な人には“ホットな”辛さをマイルドにするために卵の風味を同伴させたほうが心強いかもしれない。



そしてハイチアイスティー。



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置いてあったペッパーがなかなかの辛さだった(この私でも!)ためか…



爽やかなアイスティーが舌を流れ、喉を洗う過程が快かった。



アクセントで加えるブランデーが上品に心を温める。



アメリカ(北中南米)は自分にとって未知のものであるが、何だか懐かしさを覚えた。



それはスクリーンを通して見る…



項垂れるように背を丸め、なかには両手足を切り落とされながら川を流れ行く木々の姿に感じているのだろうか。



「自然は脅威ではない」



「天災は災いに非ず」



この意味が分かるかどうか。



人と自然の付き合いかたを、今一度確認する。



ここでも大好きな作家が登場するのだから、私はここまで単純なのだ。



しかし、他人には決して捉えられないだろう。



シンプルだからこそ…
ヒューマントラストシネマ有楽町にて『すべて彼女のために』を鑑賞してきた。







「これぞサスペンス!」



まさに我が身にも降りかかりそうな、そんな災難にして…



とばっちり。



怖い世界だ。



複雑な世界だ。



…そんなことを思っている間もなく、夫であるジュリアン(ヴァンサン・ランドン)の悲壮にして必死な闘いが始まった。



キャスティングの妙というか…



ランドンの表情は、無表情にして悲しさ、遣る瀬無さ、果ては喪失感の手前まで来る人間の深層心理の深さを改めて物語る。



状況証拠と直接証拠の線引きをも無視したような、半ば強引なリザ(ダイアン・クルーガー)の逮捕。



冒頭から暗闇に聞こえる暴力の音、そして人の叫び。



スクリーンの映し出し、奏でるあらゆる感覚が理不尽さの末端に私たちの身を置きざりにする。



椅子に括り付けにされた私たちの選択しうる手段、それは…



すべてが膨大な闇のカーテンに閉ざされていても、そこに〝彼女〟がいることが分かっているのだから!



ひたすらに彼に託すのだ、ジュリアンを信じるのだ。



あらゆるものを犠牲にしながらも、一直線にリザのもとへ向かっていった。



国語の教師にこんな才能が?



それでも普通に見えてしまう、皆そうなのだと。



失敗は成功のもとというか…



苦闘する様子が刻一刻と露になるから、頑張る姿勢に共感を受けてしまうのだろう。



ポール・ハギスによるリメイクも、このオリジナルであるフランス映画には決して代わり得ないだろう。



この作品でも散見せられたフランス映画特有のシュールさ。



それがこの作品の主人公となる、平凡な男に与えた現実感は凄まじいと感じる。



ジュリアンの姿から、何かに落ち込んだ人はパワーをもらえるんじゃないか?



その反面ではあるが…



「すべて○○のために」と言い切れる程の価値ある何か、それを与っている人たちは少ないはずという、この社会が歯痛のようにキリキリと心を蝕むようだ。



とにかくジュリアンはよくやった!



最後の場面から感じるもの、それは単なる〝再生〟ではなかった。



身近にある何かを〝一時停止〟する必要性だったのかもしれない。
横浜で公開しない映画を鑑賞するために…



有楽町へ。



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以前赴いたが、結局諦めてしまった天麩羅の【阿部】さんへ。



予約客が先んじていたので、暫し待った。



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…それにしても、馨しい油の香り。



幾つか並ぶランチメニューに悩んだ挙句、大海老天丼にした。



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とても綺麗な黄金色が映え、見た目からしてカリッとした衣に垂涎。



プリッとして、さらにかなりクリーミーな大海老をはじめとして、いずれも“そのまま”での美味しさを残した粋な天ぷらという感じ。



タネそのものが油っぽさを感じさせないばかりか、天ぷら専門店で「住み分け」の届かないタレが旨い!



さっぱりしていて、甘みも控えめなのでご飯も最後の一粒まで美味しく食べられる。



単品でも色々と技を利かせてくれる職人の技がある、いつか試してみたいものだ。



映画鑑賞後には、私の銀座で最も好きな場所へ。



スターバックス銀座マロニエ通り店だ。



東京にいる頃に足繁く、昼夜を問わず訪れ、孤独を楽しんだこの場所は…



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その頬を末明に赤らめ、両の手で私を迎え入れてくれた。



外を走る(東京)マラソンランナーの大地を踏みしめる努力の響き、そしてそれを励ます沿道の愛の演奏からも隔離された空間。



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愛する人のように…



この空間にも、いつまでも美しくいてほしい。



悩み苦しみ、そして自分を見つけ、かれと共にあらゆるものに打ち克った。



そんな場所であるから…



銀座や築地、そして月島に豊洲の辺りは私にとって特別であり続けるだろう。
DVDで『僕がいない場所』を観賞した。







「自分は…」



そうだ、ここまで来たんだ。



クンデル(ピョトル・ヤギェルスキ)に言いたい。



全てが私たちから離れるとき…



きっと、その瞬間からこの背中には羽が生えるだろう。



どこまでだって飛んでいけるように…



君が「ママ!」と叫んだその声、温かくも強く、何より優しく受け止めてくれたものがあるじゃないか。



孤独に打ち震え、助けを乞おうものなら引き剥がされる。



分かってるよ。



私たちには、私たちにしかできない〝旅〟がある。



私も経験したつもりだ、そして君はそれを経験したんだ。



その過程は酷く疲れるものだったと思うけれど…



君は何を見てきたの?



是非とも聴かせて欲しい!



夜闇に佇む灯台から放射される光は、どんな影を作ったのだろうか。



旅の道のりを見ていて、心から悲しくも嬉しくもなった。



そして君の最後の言葉…



そう、それでいいんだ。



君は何よりも強く、何よりも美しい。



この作品に出会えたことを幸せに思う。



実話が基になっているからこそ、とても胸が詰まる思いがした。



私の大好きなナイマンの旋律に併せるかのように…



社会と人間が悪魔の厳しさを見せつける。



「ここはお前の居場所ではない」



そして現れたひとりの天使…



無邪気すぎるほどの笑顔に、徐々に心を許し始め、終いには大切な存在となる。



いったい彼女が姉妹でなかったら…



一度でも姉に惹きつけられていなかったら…



そう考えていくと、ある岐れ道に至る。



これこそが私たちの与った選択である。



そういう意味でも…



作中でも印象的な〝光〟と〝影〟、その対比は簡潔で最も明白となるだろう。



救いなんていらない。



ただ欲しいのは、自分を認めることのできる強さだけだ。



本当にいい作品に巡り会ったと思う。



数多くの作品を鑑賞してきたが、そのなかでも幾つと無い“鏡のような”作品だった。



『BOY A』を劇場で観賞したときと、同じような気持ちになった。



映し出すものは、果てしない心の世界、精神の旅である。



限られた人々にだけ可能な、生命の動かし方、慟哭の捉え方なのだ。



この震え、そして熱い涙は同じ泉に零れ落ちていくことだろう。



そして私たちの心を満たす源泉となるであろう。



一生大切にしていきたい映画だ。
ドトールにて…



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ロイヤルマサラチャイを堪能。



今日は身分証明のために地元の役所へ赴いた。



必要事項を記入…



「あ」



うっかり現在の住所を記入するところだった。



自分の本籍…



浮かんでこない。



それでも、薄れゆく記憶のなか…



甦る夏風の心地よさ。



生き返る庭木の雄大さ。



〝川〟に並んで寝た家族の姿。



確かに覚えている感覚と光景が一気に巡った。



判明した本籍地の記載を見ると、何だか胸が詰まりそうな想いがした。



庭で風に揺れる草木に恐怖さえ覚えていた、それほどまでに小さかった自分、そして自分の王国。



これからは、そんな自分が数百、いや数千、数万もの人たちの命を与る立場に置かれ…



海を越えた世界は、その広大さに想いを飛躍させる。



〝川〟から〝海〟へ、そして…



〝空〟へ。



とにかく…



自分の場所が見つかって、本当に良かった。