初舞台生の94期生からは天海祐希に次ぐ9年目でのトップ就任が話題になった珠城りょう。現役では花組羽立光来、舞月なぎさ、雪組の久城あすが活躍中。その他元プロ野球監督・広岡達郎の孫の麻央侑希、星組のダンサーだった漣レイラ、花組のシンガー和海しょう等がいた。娘役では明日海りおの3代目相手役、新公ヒロインの経験がなく9年目でのトップ娘役就任が話題となった仙名彩世に、現役では雪組に杏野このみがいる。その他早乙女わかば、華雅りりか等がいた。
1~2月雪組「君を愛してる/ミロワール」の後、2~3月宙組「黎明の風/Passion 愛の旅」は専科から轟悠が主演となって白洲次郎を演じ、大和悠河がダグラス・マッカーサー!当初ポスターを見る限りかなり無理があるように見えたが、幕が上がってみると舞台上の立ち姿はそれなりに嵌っていたとか。この公演では陽月華が休演となり、代役で和音美桜がヒロインとなる白洲の妻正子を演じた。吉田茂を汝鳥伶が演じて、これは予想通りのはまり役だったとか。3~4月月組「ME AND MY GIRL」はサリー彩乃かなみの退団公演となった。ビル瀬奈じゅん、ジョン卿霧矢大夢、ジェラルド遼河はるひに対してマリア公爵夫人に出雲綾、ジャッキーに明日海りおと城咲あいのWキャストとなり、パーチェスター未沙のえるは1987年初演以来の復帰となった。新人公演では明日海が初主演を飾った。
5~6月花組「愛と死のアラビア/Red Hot Sea」は新トップ真飛聖の大劇場披露公演となり、相手役に引き続き桜乃彩音、二番手大空祐飛、三番手壮一帆という体制となった。大空は真飛よりも3期上で、「過去に上級生の二番手がトップになったこともあり、今後は未だ判らない」という様な発言が劇団側からあったと記憶している。しかしながら久世星佳については天海祐希が余りにも早くトップとなり、予想外に早く退団したため止むを得ずという事情があった。一方で大空については月組で2期下の霧矢に抜かれて花組へ移動となり、二番手とは言え3期下のトップの下に付くとなるとその次があるとも当時は思えなかった。大空はかつての麻実れいに似た雰囲気も感じさせるクールビューティで、個人的には贔屓な生徒だったので、そう考えざるを得ないことは非常に残念だった。
7~8月星組「THE SCARLET PIMPERNEL」はブロードウェイミュージカルの宝塚版だが、新公で紅ゆずるが研7のラストチャンスで主役を射止めその後トップまで上り詰めたのは承知の通り。1979年花組で同じ原作を舞台化した「紅はこべ」が上演されており、この時はパーシー松あきら、マルグリッド北原千琴、ショーブランみさとけいという配役だった。また、これが初めてのフランク・ワイルドホーン音楽の作品となった。8~9月雪組「ソロモンの指輪/マリポーサの花」の「ソロモン」をもって演出家荻田浩一が退団となった。また「マリポーサ」新公では、後に娘役に転向する大湖せしるが主演した。
10~11月宙組「Paradise Prince/ダンシング・フォー・ユー」では「Paradise」の劇中で使うキャラクターを公募するなど、大プッシュでトップに押し上げた大和を盛り立てようと試みている様子が見て取れたが、和央の退団以降貴城のワン切り退団もあったせいなのか、当時の宙組は何となく勢いに欠ける感じがしていた。11~12月月組「夢の浮橋/Apasionado!!」の「浮橋」は源氏物語の“宇治十帖”の舞台化で、演出家大野拓史の大劇場デビュー作。かつて1973年に星組で同じく“宇治十帖”に基づく「浮舟と薫の君」が薫/安奈淳主演で上演されたが、今作では匂宮/瀬奈が主人公となり薫/霧矢に対して、ヒロイン浮舟に星組から組替えとなっていた羽桜しずくが抜擢された。しかし瀬奈と羽桜がコンビとなるのかと思ったらそうではなかったようで、瀬奈はこの後相手役不在のままで行くことになった。また瀬奈の下の新公でずっと二・三番手の役を演じてきたのが光月るうで、最後の新公となった本公演では薫(霧矢)を演じ、その10年後に副組長、組長に就任することとなる。
バウホールでは再びバウ・ワークショップとして、各組2人づつの主演とそれぞれのバージョンでの上演が試みられた。1月月組「ホフマン物語」を明日海りおと青樹泉、2~3月花組「蒼いくちづけ」を真野すがたと朝夏まなとで上演。4月星組「ANNA KARENINA」は夢乃聖夏と麻尋しゅんでの上演となったが、夢乃バージョンで紅ゆずるがカレーニンを演じ、これが切っ掛けとなってその後の活躍に至ることとなった。5~6月雪組「凍てついた明日」では主演の凰稀かなめに対して、愛原実花と大月さゆの2人のヒロインバージョンでの上演。6~7月宙組「殉情」は早霧せいなと蓮水ゆうやでの上演となった。
全国ツアーでは「外伝ベルサイユのばら」シリーズが、5~6月雪組「ジョローデル編」、9~10月花組「アラン編」、11~12月星組「ベルナール編」として上演された。
ここ数年来続いて来たトップの交代劇が漸く落ち着きついてきたが、バウ公演や全国ツアーで多彩な試みが目立った1年となった。