出先で昼飯をと思ったときに目につきましたのが、カンボジア料理のお店。
ベトナム料理やタイ料理の店はそれなりに見かけることはありますけれど、
カンボジア料理とはあまり聞かないなぁと入ってみることに。


昔々と比べれば国情も安定しているのでしょうか、
世界的な文化遺産であるアンコール・ワットやアンコール・トムを抱えるお国柄、
訪ねたことがある人も増えてきているのかもしれません。
そのせいか、小さな店内はあっという間に満杯になってしまったのでありますよ。


その満杯直前に席に着いたのですが、メニューはさすがに写真付き。
でないと、カンボジア語のカタカナ表記だけでは何を頼んだものやらですものねえ。


とりあえずシェアするかとランチ・メニューの中から
どうやら焼き飯状と思しきバイリンを頼むと、ランチセットゆえに

サラダとスープとデザートが付くといった具合です。


で、そのスープを食しているときでしたか、
「あ!かぼちゃが入ってる」と思ったときに「カンボジアだものね」と勝手に一人合点。


かぼちゃはカンボジアが語源であるとは聞き及んでいたものの、
改めて考えると「これももしかして思い込みであるか…」という気もしてきて、
調べてみることにしたわけでありますよ。
果たしてWikipediaにはかぼちゃの名の由来がこうありました。

一般にはポルトガル語由来であるとされ、通説として「カンボジア」を意味する Camboja (カンボジャ)の転訛であるとされる。方言では「ぼうぶら」「ボーボラ」などの名を用いる地方もあり、これはやはりポルトガル語で、「カボチャ」や「ウリ類」を意味する abóbora (アボボラ)に由来するとされる。ほかに「唐茄子(とうなす)」「南京(なんきん)」などの名もある。 漢字表記「南瓜」。

やっぱり「かぼちゃ」の元はカンボジアでありました。
しかしながら、それがポルトガル語 由来であったとは。


ともかくポルトガル人が持ち込んだものであろうかと思うところですが、
かぼちゃ持ち込みの際に、ポルトガル人が「カンボジアを通ってやってきた」みたいに言ってるのを
聞いた日本人が「おお、これがカンボジャというものか」と勘違いして記録され、
日本名「かぼちゃ」が定着してしまったのでもありましょうか。


もしちゃあんと聞き取っていたとすれば、方言としては似た響きで生き残っているように
ポルトガル語本来のかぼちゃを示す言葉「あぼぼら」が呼び名になっていたかもですねえ。


ところで、ポルトガル人がかぼちゃを持ち込んだのはよいとして、
「カンボジアの特産物」と紹介したとする話もあるようですけれど、どうなんでしょう。


ちなみにかぼちゃは南北米大陸が原産とのことですので、
カンボジア名産というわけではなさそうです。


加えて、南北米原産でポルトガル人とくれば、例えばブラジルあたりで見出されたかぼちゃを
(スペインがカカオ や何かを紹介したのと同じように)ポルトガル人が他の地域に紹介したんでは…
てなことを考えてしまいますですねえ。


ということで、カンボジア料理とかぼちゃ自体はおよそ関係無かったことになりますけれど、
今度は、はてカンボジアではかぼちゃを何と言うのだろうと思ったり。


カンボジア語(クメール語)では、どうやら「ラパウ」てなふうに言うらしい。
実は少々「えええ??!」という言葉を期待したわけですが、
何でもかんでも面白いように、面白いように話が展開するわけではありませんなぁ。