ストックホルムのホテルはやはり高めですね。
予約をするときに散々ああでもないこうでもないした挙句、
お手軽に駅前ホテルで済ませることにしました。


到着早々に予想以上のわさわさ感を抱いたのは
人が行き来をする場所だからこそなのかもしれんですねえ。


ともかく中央駅に隣接するバス・ターミナルに空港から到着して、
キャリーケースをずりずりしながら目指す駅前ホテルを探して少々うろちょろ。


予め地図で当たりをつけていたものの、多くのヨーロッパの都市同様に駅が大きいですし、
道の角々に通りの名称表示があるものの、書かれていることがすっと入ってこないものですから、
まあうろちょろもやむなしであったかなと。


ちなみに近辺の通りの名を挙げてみますとですね、

  • Klara norra Kyrkogata
  • Bryggargatan
  • Gamla Brogatan
  • Kungsgatan
  • Vasagatan

…てなわけで、「gatan」というのが「通り」のことで「gata」は細い通りかなと想像したりしつつ、
Vasagatanに面したホテルにたどりつきますとすでに夕方ですので、
部屋に入って一息つけば「のど乾いたなぁ、ビール飲みたいよなぁ」と思うわけです。


夕食どきではありますけれど、取りあえずビール共々何か軽食を買ってきてささっと済ませ、
翌日以降のためにもぐっすり寝ようというのが到着初日の方針でありますので、
ホテル近辺の散歩がてらコンビニ的なお店を探しに出たという。


裏道なども歩きつつ、ふむふむヨーロッパだぁねぇと思いましたですね。
石造りの堅牢な、それでいて装飾を加える遊び心(?)を忘れない建物が並んでいます。
ま、駅前通りの裏道などはほんの序の口でありましょうけれど。


ほどなくセブンイレブンを見つけ、お酒コーナーの棚の前に立って、
はっ!としましたですね、そういえば!と。

出発前にもあれこれ旅先関連本を読んだりしてましたけれど、
スウェーデンにはお酒に関しては特別なんだったっけと。


かいつまんでお伝えするためにWikipediaから引用させてもらいますけれど、
なにしろWikipediaに「スウェーデンにおけるアルコール飲料」てな一項が立つくらいでありますよ。

スウェーデンでビールが根付いた飲料となる以前から、ほとんどの人々にとり主要なタンパク源であったニシンの塩漬けや(手に入れば)塩漬け豚肉の様な塩辛い食べ物とのバランスをとるために多量の飲酒がなされていた。…蒸留の手法は15世紀になって導入された。ブレンヴィン(蒸留酒)の生産や販売に対する禁酒令がある期間施行されていた。

これだけでは今一つ分かりにくいとは思いますが、

歴史的にスウェーデンは(言葉は悪いですが)「飲んだくれ大国」であって、
引用にいう蒸留酒ばかりでなく、一般にアルコール飲料に対する規制は

今でも続いているというのですね。


蒸留酒も具体的にはウォッカの類いのようで、

ウォッカと言えばロシアを思い浮かべ、寒いから飲むんだろうと想像してたわけですが、

ロシアほどではないにしろスウェーデンも十分に寒い環境でしょうし、
引用にもあるとおり塩辛いものを食べる習慣は飲酒の習慣とイコールでもあったのでしょう。


ということから、コンビニのようなお店では

日本で普通に買えるお酒(いわゆるハードリカー)は一切買えませんし、
ビールにしても一般的なアルコール度数5%程度のビールはむしろ

ハードな部類としてやはり売っていない。


では、コンビニで売っているビールとは何ぞやということになりますが、これをご覧くださいまし。


スウェーデンの低アルコール・ビール



日本でいうロング缶のビールですけれど、ラベル真ん中に大きく「3.5」とありましょう。
要するにアルコール度数3.5%の低アルコール・ビールなのですね。


たぶんここに写真を出したのは現地のビールと思われますが、
日本でも売っているハイネケンとかカールスバーグとかのロング缶も並んでいましたけれど、
やっぱりいずれもアルコール3.5%のものばかり。


スウェーデンものと思しき低アルコールビールを買って飲んでみたところ、
日本のアルコール・フリーほどビールとかけ離れた飲み物ではないものの、
やはりどうにもパンチが効かないふうではあります。


という具合に、スウェーデンでは日本での普通のビールまでも含めたハード・リカーは
限られた専門のお店でしか買えないようですし、営業時間も限られてますから、
夜中にふと飲みたくなってといっても買うことができない。
今でもそうなのかは分かりませんが、購入量の制限まであるという話もありますね。


こうまで制限しながら、3.5%ビールなら昼間から飲んでもOKと見られる風潮もあるらしいとなると、

スウェーデンという国とあまり結びつかない「飲んだくれ大国」ぶりがしのばれるというもの。

(一応スウェーデンの名誉?のために言いますと、街なかで飲んだくれをみかけることはなかったです)


でもそのおかげで?ストックホルム滞在中は基本的に低アルコール・ビールを買うか、
パブのような店でまともなビールを飲むかぐらいで過ごし、
ハード・リカーとは縁のない毎日を過ごしていたのでありました。