先に映画「大空港 」の話の折に、
パニック映画のパニック度合いはどんどんエスカレートして…てなことを書きましたけれど、
地震、洪水、竜巻
、噴火と自然災害のあれこれもずいぶんと描かれてきましたですね。
そんな中でちと異色なのが「ボルケーノ」でしょうか。
これも噴火モノの一つではありましょうけれど、
噴火モノの正統派は「ダンテズ・ピーク
」のように山で起こるわけですが、
「ボルケーノ」の舞台はロサンゼルスの街中。
そこでいきなりマグマが噴出するとなりますと、
パニック映画を撮るために作ったシチュエーションなのではと思ったりするわけです。
映画の中でも、最初は危機管理局長のマイク・ローク(トミー・リー・ジョーンズ )が
地質学者のエイミー・バーンズ(アン・ヘッシュ)の意見を聞いて「んな、あほな!」と思ったように、
大都市の地下からやおら溶岩が噴出することってあり?と思いますですね。
「大地震」という別の映画の舞台は確かサン・フランシスコ でしたけれど、
今回の話も大きな地震が原因となって引き起こされますが、
カリフォルニアにはサン・アンドレアス断層というのが走っているので、
確かに大きな地震は起こるらしい。
ただ、大地震によって生じたプレートの裂け目からマグマが地上まで噴き上げるというのは、
本当のところの科学的根拠はどうなんでしょうねえ。
もっとも日本では
畑のあったところがあれよあれよと隆起してしまった昭和新山のようなケースがあるとすれば、
まあこういう設定で映画を作っていけないということはないのかなとは思ったりしますが。
というわけで、この映画で闘って捻じ伏せなくてはならない相手は溶岩流ということになります。
一昨年行ったときに何度かバスで通ったウィルシャー・ブールバード。
ダウンタウン
からしばらく西へ向かうとタールピッツというところがあるのですね。
お隣のLACMA でも建物の外では「タール?」という独特に臭いがしてきます。
今でも地殻の裂け目から地上にタールが湧き出している場所となれば、
この映画に打ってつけの場所でありましょう。
でもってここから湧き出した溶岩に対して、
ウィルシャー・ブールバードとフェアファクス・アベニューとの交差点でもって堰き止め作戦を展開、
何とか流れを止めることに成功するですが、交差点の角に立つビルはしっかり燃えてます。
あらら、ピーターセン自動車博物館
も燃えとる!と。
映画の中ではずいぶんと溶岩流が流れたように描かれてるんですが、
実際にはタールピッツからこの交差点まではさほどない距離でして、
これはどうなってるのかなというところ。
ところで地表に流れ出たものは堰き止めましたが、これよりさらに熱々の状態で流動性もよく、
つまりは流れの速いものが地下鉄トンネルの中を突き進んでいることがやがて発覚します。
すでに地表を流れているときからしてですが、人々がパニックに陥る…それは想像がつくとして、
たちどころにして窃盗が横行するというのはどうしたものか…。
避難して人のいなくなった店から何でも盗り放題とばかりに押しかけては持ち去っていく人々。
映画とはいえおそらくこういう事態が出来するであろうと思われるから
入れられたエピソードですよね、きっと。
東日本大震災後の日本人の行動が、見方によっては感心され、
別に見方によっては気持ち悪い落ち着きのようにも取られたのと
全く違う行動がここにありますですね。
それはともかくここにもまたひとつの成長物語があるのでして、
ロークの娘さんがこの事態の前と後を比べると「まあ、立派になって!」という感じ。
それに伴って、ロークと娘さんとの関係も「成長した」ともいえましょうか。
そして、アン・ヘッシュで思いだす「6デイズ7ナイツ」でそうだったように、
異常な体験を共に通り抜けた男女が非常に親近感を抱いて…という構図が
ロークとエイミーに出来するかと思えば、こちらの方は余韻さらりとかわされたふうでありましたですね。
とまれ、全般的に荒唐無稽とはいえそうですが
なかなかに見ている間緊張感を強いられる映画ででありますよ。
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