営団地下鉄東西線の門前仲町駅を降りて豊海水産埠頭行きの都営バスを待ち、

越中島を過ぎ、月島を過ぎて勝どき二丁目のバス停で降りる。

目の前の交差点を左に折れ、運河にかかる橋を渡って左側、

そこにかつて通った自動車教習所があった…。


今では営団地下鉄は東京メトロといい、豊海水産埠頭行きのバスは門仲を通らず、

勝どき二丁目は大江戸線の勝どき駅となり、教習所があった場所には何と!

晴海トリトンスクエアという再開発された複合施設になっていたのですね。


2001年に開業したといいますから今さら驚くにはあたらないのかもですが、

とんと近寄ることのなかった身にとっては驚愕以外のナニモノでもないという…。


そんな昔話はともかくとして、その晴海トリトンスクエアの中にある第一生命ホールという

音楽ホールでの演奏会を聴きにいったのでして。

個人的にはやおら盛り上がりを見せている弦楽四重奏

アマリリス弦楽四重奏団の演奏会でありました。


アマリリス弦楽四重奏団@第一生命ホール


メルボルン国際室内楽コンクールの大賞受賞ということで若いグループなのでしょう、

ハイドン の「騎士」、ベルクの抒情組曲、ベートーヴェン の作品131とは

中々に意欲的なプログラムだなと思うところなのですね。


それにしても、この第一生命ホールはいい音ですね。

先日プラジャーク弦楽四重奏団 を聴いた所沢のホールがちと大き過ぎ?てなふうだったんですが、

ここは弦楽四重奏に程よい空間であるような。残響も心にくいふうでありました。


そんな中で聴いたアマリリスSQですけれど、最初のハイドンでは

野球の監督がマウンドのルーキーに近寄って

「どうした、投げ急いでないか。ひと呼吸おいて間合いを取っていこう」

てなアドバイスをしたくなる感じで、楽章間の息継ぎが足らなくて少々息苦しく感じるふう。


このままベルクに突入しては酸欠になってしまうのでは思いましたが、

さすがに一曲を終えて落ち着いたのか、そもベルクということでいささか身構えたところに、

まだまだ深みにはまる前の20世紀音楽 で堪能させてもらいました。


不思議だなぁと思いますのは、

最後のベートーヴェンよりもベルクの方が聴き易いということでしょうか。

20世紀音楽と身構えたところが(もちろんそれなり響きではありつつも)

タイトルどおりの抒情性も伺えるベルクに対して、音楽史的には古典派とされるベートーヴェンが

最晩年にはおよそ古典派とは思われないところに行ってしまっていたことに

イメージが追いつかないといいましょうか。


ちなみにアンコールがヴェーベルンだったことからも、

結構このあたりを得意技としているのではと思われるアマリリスSQ。

グループとしてはまだまだ若い印象ですけれど、

その名の優しい印象とは別に、これからの熟成が楽しみだったりするところでありますよ。