たまにはお気楽な映画もいいかなと出かけてみたのが「テルマエ・ロマエ」でありました。


映画「テルマエ・ロマエ」


予備知識は全くなく、「テルマエ・ロマエ」という語感が「お手前」とか「当たり前」とかいう言葉を

想起させるだけでいったい何の話と思っていたのですけれど、

たまたまTVでさわりを紹介されたのを見たものですから、
気晴らしには打ってつけかもと思ったのでありますよ。


古代ローマから現代日本にタイムスリップ するというのがポイントにもなりますけれど、
それにしてもローマ帝国側の人々でも主だった役柄は日本人役者が演じているのに、
日本人をして「平たい顔族」とはよく言ったものだと思わなくもない。


まあ顔の平たさ加減は別としても、阿部寛 さんが演じた

ローマの浴場(これをラテン語でテルマエというのですね)設計者ルシウスの見せる尊大さ、
大仰さは笑いの前提としてなんと的確に機能していることかと思うと、
これ以上の配役はおそらく無かったのではと思いますですね。


そもそもタイムスリップが何故起こるのか、という点にはいささかの理屈も用意せず、
ひたすらに異文化との出会いによるカルチャーショックを描こうという突き抜け感はむしろ清々しいかも。
ただ元いた場所に帰るためには「涙を流す」ということが関わっていることだけ、

後から示唆されるだけです。


そして、現代で出くわしたさまざまな新しい設備を

どんどんローマ帝国 の浴場に導入していくルシウスですが、
目にした新奇な設備の仕組みにいっさい興味を示すことなく
自分なりの創意工夫で作り上げている(らしい)のは大したものです。


大したものと言っても、やはりそこにあるはずの仕組みらしい仕組みは語られませんが。

例えば泡風呂の実現に多くの奴隷たちが地下から息を吹き込んでいるようすが映されたりするものの、
浴槽の下から息を吹き込むときにお湯が逆流するのではと思ったりしますが、
そういうことはともかくとして…なわけですね。


ところで、ルシウスがたどりついた日本の温泉旅館では、ルシウスには何もかもが新鮮であるのに
経営が立ち行かず廃業の危機に立たされていることが囁かれていたのですね。


そこでまた思い出したのが先月訪れた福島県の土湯温泉

(映画の中に土湯温泉街入口にある名物の土湯こけしが映っていたそうですが、わからなかった…)


行ったときにはピンと来てなかったんですが、
つい先日の日経にも関連する記事が出ていて遅まきながら検索してみますと、
なんと!震災前には16軒あった旅館のうち6軒が廃業に追い込まれていたのだとか。

いつとは知れず「ここ、やめちゃっただぁ」と思った施設は目にとまりましたけれど。


個人的には湯量豊富ないくつもの風呂場をはしごして、その後も元気に過ごしているわけですが、
(そうそう、病いにも効果的だったような…って、ちなみにまだ通院してますが…)
全ては風評被害のなせる業であるのだそうですよ。


となると、今の土湯温泉にこそルシウスが必要なのではと思ったり。
もちろんもっと必要なのは、土湯にたくさんの方々が漬かりに行くことなのでしょうけれど。


すっかり話は飛んでしまいましたけれど、とにもかくにも大笑いしながら

日本の風呂、日本の温泉を再認識する「テルマエ・ロマエ」でありました。


ところで、ローマ風呂で有名な熱海 の大野屋にルシウスが現れたら、

何を思ったでありましょうかねえ・・・。

ただ、差し当たりは熱海に行くのは次にして、土湯へ行って見ようではありませんか。