国立新美術館で見たセザンヌ展 は久しぶりにたっぷりした展覧会を見たなぁと思うのでして、
絵を見ることであれやこれやの想像力が掻き立てられるものだなと思いを新たにしたわけです。


ところで、絵画とは似て非なる(というよりはっきり言うと似てないですが)ものでもって、
ずいぶんと想像を働かせることができるものだなと思ったのですね。
たまたま何の気なしに手に取った「ヘンな間取り」という一冊の本の印象であります。



人それぞれに関心の赴くところはあれこれでありまして、
工場萌え 」といった方々もおれば、「墓まいらー 」というような方々もおるとなれば、

「間取り萌え」というのかはたまた「まどらー」とでも言ったよいのか、
不動産屋の店先にたくさんならんだ間取り図のようなものが実にそそるお楽しみになるという方々も
きっとおいでなんでしょう


上級者ともなると一枚の間取り図でいかなる愉しみに浸るものかは想像もつきませんけれど、
本書に紹介されたような「ヘンな間取り」であれば、初心者・初級者にもOKというところでしょうか。
「こんな間取りの部屋に住めるの?」というくらい、明らかにおかしな図面には大笑いさせられますから。


とはいえ、玄関から先に一歩も入れない部屋であるとか、どうやってトイレに、風呂に入ったらいいのか

という間取りに関しては、単純に図面の書き間違いなんだろうなと。
東南アジアのリゾート・ホテルの日本語表記にみられる誤字みたいなものではないですかね。

「ソ」と「ン」の区別が無茶苦茶だったりするやつです。


ですから、その辺は単純に笑って済ますとしてですね、
おそらく意図はあるのだろうけれど、その意図が読めない「ハテナ物件」の方がさらに深みがあるような。


ワンルームなのにトイレだけは2つある(しかも個室が隣り合わせに並んでる)とか、
フローリングにやおら床の間があるとか、玄関を出て共有スペースと通らないと行けないベランダとか、
玄関入って5メートル余りの廊下を通り抜けたないとたどり着けない部屋とか…。


それ以外にも一見して、あるいは一見して分からずとも説明文を読んでみれば
なるほどこいつは使い勝手が悪そうだという間取り物件が続々と登場してくると、
そのうちに笑ったり、唸ったりを通り越して、このデメリットを克服して住まうことは可能かどうか、
実際に住むとすればどこにどう家具を置いてみようか…てなことを考え始めたりするのですね。


かつて住まっていたアパートでは玄関の扉を開けると即座に台所で、

これが滅法狭いわりにはその左側に並ぶバスとトイレが異様に広いスペースでしたが、

(そもそも別々にある事自体贅沢な空間利用なんですが)

それならもそっとキッチンの方に回してくれてもよかったんじゃあないかと思ったり。

それでも、トイレに書棚を入れてくつろぎの書斎?として使うことを楽しみとはしてましたが。


このように?「住めば都」とまでは言わずとも、

慣れてくると気にならなくなるようなこともありましょうし、
逆にこの本に紹介されるようなのよりはまともと思っている今の住まいも
よく考えればなんでこういうふうになってるのかなというところもありますし、
これはこれでなかなかにエキサイティングな想像の世界でありますよ。


こうした想像を駆け巡らせるお楽しみに繋がるせいか、

「ヘンな間取り」には類書がたくさんありますので一度手にとってご覧になるもよし、

本を探しだすまでのことでは…という方にはお手軽にこちらでお試し されてはいかがでありましょうか。