シャーロック・ホームズの宇宙戦争 」を読んでおりましたら、
ホームズがヴァイオリンでパガニーニを弾くという場面が出てきたのですね。


ホームズがヴァイオリンを奏でることは夙に知られたところでありますから、
今さら驚くには当たらないところなのですけれど、コナン・ドイルの原典版ホームズ譚
具体的な作曲家名や作品名が出てくることに気付かなかったものですから、おやっと。
(たぶんどこかしらにはあるのでしょうねえ…)


以前、ニコロ・パガニーニ のことは数学やらの絡みを(例によって浅いところで)書きましたけれど、
シャーロック・ホームズも実験やら観察やらといささか科学的思考(嗜好か?)の人物っぽいので
パガニーニを弾くと聞きますと、さもありなむと思ったりするところです。


おそらくは一人でいるときにはストイックにカプリースなんかを弾いていたのやもしれません。
ただ、前にも書いたようにこの曲は技巧的に尖っているところもあり、
傍で聴いていて手放しで楽しい、リラックスできるといった類の音楽ではなさそうですから、
ワトスンが聴かされていたとしたら、しんどかろうなあと同情を禁じえなかったりするわけです。


ではありますが、先の「宇宙戦争」での場面はどうやらようすが違う。
パガニーニを弾くとある後に、どうやら曲はセレナーデであることが記されているのですね。


夜の窓辺ごしに彼女を思って奏でるセレナーデ…みたいな曲をホームズが!と思いますけれど、
ここではハドスン夫人に聞かせるというシーンでありまして、
先にも触れましたように、同書においてはホームズとハドソン夫人は思い思われの仲でありますからして。
(しかも、ワトスンには内緒にしてあるようで…もっとも、当人の察しの悪さもありましょう)


でもって、このパガニーニのセレナーデというのはいったいどんな曲?と思うわけですよ。
あれこれ検索してみると、パガニーニには「Serenata」(セレナーデのイタリア語 )というのが
何曲かあるようで。


ただし、簡単にはCDで手に入ったりするようではないので想像するしかありませんが、
まあ思い人にパガニーニを聴かせるなら、以前紹介しましたCD「Paganini for two」にも収録されている
カンタービレみたいな曲であろうかと思い巡らしたり。


この曲は、NHK-FM「きままにクラシック」のエンディングに使われていますので、
「ああ、あれね。なるほど」という方もおられようかと。


ただ、曲としてはこうした優しく暖かくささやきかけるようなものがかの場面には合うものと思いますけれど、
それにしても弾き手がシャーロック・ホームズかと思うと、「うむぅ、しっくりこんなぁ」という気がする方が
少なからずおられるのではないかと思うのですが、いかがでしょうかね…。