先日ちょっとばかりルネサンス音楽の楽器 のことに触れましたけれど、

思い出してみれば昨年2月の西洋美術館「ボルゲーゼ美術館」展 にまつわるイベントで、

ルネサンス・フルートの演奏 を聴いたのでありました。


楽器としては材質も、またキーなどのメカニズムも今のものとは異なるとはいえ、
基本的な音の出し方に違いがあるわけでなく、

そう考えるとフルートも実に古い楽器だなと思うのですよね。


そして、フルートが「横笛」であるならば、「縦笛」たるリコーダーもまた古い楽器でありましょうね。
さらに作りがシンプルと思われますので、古いままの状態でながぁく使われている楽器なのでしょう、きっと。


そのリコーダーでありますけれど、小学校の音楽の時間にやりましたなぁ、ソプラノ・リコーダー。
ランドセルからすっくと飛び出したリコーダー。
はたまた習い立てだと吹きながら帰ってきてしまったり。
(って、学習指導要領が変わったりすると、もうやってないのでしょうか…)


とにもかくにも息を吹き込めば音が出る!という簡便さがあって、
なおかつ小学校の思い出などと結びつくものですから、ついつい舐めてかかる楽器でもあろうかと。


さりながらいざ曲を聴いてみれば、思いのほか深い音色を持っていると知ることができるのですね。

リコーダーによる演奏のCDは何枚か持っておりますけれど、
その中で感慨ひとしおなのが、「無秩序の喜び」というアルバム・タイトルを持つ一枚なのですよ


無秩序の喜び ~17世紀・英国の2声部のコンソート/シュタイアー(アンドレアス) メメルスドルフ(ペドロ)


ペドロ・メメルスドルフのリコーダー、アンドレアス・シュタイアーのチェンバロによるデュオでありますが、これがですね、実に深ぁい息遣いとともに流れ出すリコーダーの響きがたまらないのですね。


もちろん、調べのほどはといえば、前にルネサンス楽器のところで言いましたように、

いわゆる「鄙」のイメージであって、古えを想わせるものであるのは間違いないながら、

そんな遥か昔を生きていたわけでもない者にとっても、

胸のあたりをキュッとされる懐かしさが漂っているという。


なんなんでしょうね、これ。

前にもイギリス民謡が「なぜか懐かしい」 てなことを書きましたけれど、

関係あるんでしょうかね、もしかして。


小学生の頃にちいとばかりリコーダーに触っただけの者にも吹けそうなメロディに

これだけ情感が込められるのは、わざですよねえ。


というところで、どちらかと言えば古い時代に似合うイメージのリコーダーでありますが、

あれこれ見聞きしているうちに、凄いものを見つけてしまいました。


学校で教材に使われるのは、ソプラノかアルトのリコーダーくらいですけれど、

これがリコーダー・アンサンブルとして、ちいさなものから大きなものまで取り揃えて合奏ということになると、出現するようであります。

(そういえば、ハンドベル・クワイアでも、どでかいのがありましたっけ)


もったいぶって、画像を後回しにしとりますが、これなんですね!


コントラバス・リコーダー


「コントラバス・リコーダー」というものらしいのですが、

ガンダムとかそういうロボット系を思わせる外見ながら、木製でやわらかな質感を残すという

実に憎い代物ではありませんか。

しかも、デカい!!(黒丸部分に指をあてると思ってみてくださいな、一番下は別ですが)


音楽の広がりを音域に求める傾向があるんでしょうか、

鍵盤楽器でも現在のピアノが当たり前のように88鍵ありますけれど、

昔のピアノや、同じように鍵盤を持つチェンバロなんかもそんなに広い音域は持ってませんしね。


管弦楽法に長けていたとされるベルリオーズ などは、楽器製作者のヴィヨームと一緒になって

コントラバスのさらに低域をカバーするオクトバスなる楽器を考案したとか。

(何と全長4メートル近いとあっては、小型の恐竜か…)


このコントラバス・リコーダーもその類いと考えられますかね。

形状だけから判断はできませんけれど、

古いと思っていたリコーダーも新しい発想がつぎ込まれているようで。


それにしても、どんな音がするんですかねえ。

聴いてみたいというより、吹いてみたいところでありますけれど、

およそ買うつもりがない者に試奏させてくれる奇特な楽器店がありましょうか。

こりゃ、やっぱりリコーダー・アンサンブルの演奏会あたりで耳にできることを待つといたしましょうか。