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はSCI-Arcにたどり着くまでの様子を描いて、そこで力尽きて?しまったわけですが、
行った以上は中に入ってみるわけですね、南カリフォルニア建築大学へ。
駐車場で「エントランスはどこか?」と聞いて教わった方向に行ってみますと、
なんとか「Visitor Entrance→」という表示が見つかりましたので、
おずおずと入り込りでいったわけです。
すぐにも受付らしき人がいて誰何されるでしょうから、
「ギャラリーを見にきた」と言う心の準備も怠り無くガラス扉を開けてみたのでありますが、
受付どころか、雑然とものがとっちらかった状態が目の前に。
ちょいと先を左右に伸びる長い通路(前に申しましたようにうなぎの寝床的建物ですから)を、
おそらくは「明日の建築界を担っちゃうもんね!」と心ひそかに考えているであろう学生たちが
ゆるゆると行き交っているだけでありました。
どこかしらに、受付というか事務局があるでしょうし、そうでなくてもギャラリーに出くわすはずと
誰からもとがめだてされないものですから、まず長い通路を右に折れて歩いていったのですね。
途中で、おそらくは教員らしき人物から口には出さない「ハァイ!」的な首の振りをされて、
ここはなんと無用心なところなのだろう?と不審なのはこちらであるにも関わらず、思ったわけです。
そんなことを思っているうちに、どん詰まりまで来てしまい、目の前に扉が。
「SHOP」と貼紙がありましたら、「おお、売店?」と開けて入ってみれば、ちらりと振り向く顔が数人。
ショップはショップでもワークショップなのね!と即座に退散しますが、
やっぱり誰ひとり表情ひとつ変えないのですよ。
やむなく来た通路を戻り、先の入り口前を通り過ぎて、
うなぎの寝床の反対側の奥へ進んでいきます。
誰かに聞けばいいんですが、
ただこの通路沿いには扉がなくオープンな、隣との仕切りだけのあるスペースが連なって、
そこここ何とも斬新な建築模型や、セシル・バルモンドの展示 を思い出させる
構造デザインのプロトタイプみたいなものがたくさん置いてあって、
それはそれで見ていて楽しいのですね。
さしあたり不審者とは見られていない(不思議なことに!)ようなので、
とりあえず何も言わずにこのまま見学してこうと思ったようなわけなのです。
さて、うなぎの寝床の反対側もすでに行き止まりになろうかという頃合になって、
ようやくギャラリーが登場しました。
「Atelier HITOSHI ABE LEN-TIC-U-LAR-IS」と表示されています。
そして、何とかたどり着いた展示というのが、これでありました。
これですといっても分かりにくいとは思いますけれど、この天蓋のようなもので、
リトル・トーキョーにある日米文化会館(Japanese American Cultural & Community Center)前の
広場に蓋をしようというプロジェクトのようです。
後からその会館前広場に行ってみましたけれど、実際今はがらぁんとした印象なのはご覧のとおり。
ここを人の行き交う空間にするための起爆剤として計画されているようですね。
そうした目論見どおりとなるかどうかは別として、この構造物自体が本当に広場を覆ったとすれば、
相当に目を惹く代物になるのではないかと。
そしてこのユニークな形状の発想の元が雲にあるというのは、
何だかワクワク感がありますね。
バルモンド展でも見たように、幾何学的な計算を極めたはずのものが、
自然界にごく当たり前にあったりするという不思議を思わざるを得ないわけです。
ぼんやりしてたら、ただ眺めているだけで何の発想にもつながらないものを
「こんなふうにしたら面白いかな」という柔らか頭は大したものですよね。
何の説明もされずにこの模型を見たとしたら、
「未知との遭遇」くらいしかイメージできませんからねえ。
とまあ、展示はこれだけといえばこれだけだったのですけれど、
一頻り感心してSCI-Arcを後にすると、
そそくさと(脇目もふらずに)リトル・トーキョーへ向かったのでありました。






