これまでロサンゼルス近辺の大きな美術館を渡り歩いて来ましたけれど、
ここでいささか小さいけれど、山椒は小粒でピリリとの類いの美術館へ。


確か「地球の歩き方 」にも載っていなかったのですが、他のガイドブックはどうでしょうか。
仮に載っていないにしても、小さめだからと立ち寄らないのは実にもったいない。
それこそ、ロンドンへ行ってコートールド に行かないようなものですから。


ちょうどダウンタウン からゲッティ・センター へ行くときの乗り換え地点。
ウェストウッドの交差点のところに、何気なくUCLAハマー・ミュージアムはあります。


UCLAハマー・ミュージアム

ビルの中の1フロア、それもそのほんの一角だけが展示室とはいえ、
「こんなとこに隠しとかないでぇ!」という名品に対面できるのですよ、それもガラガラの状態で。


コンテンポラリー・アートやビデオ作品なんかもなかなか面白いものがありましたけれど、
やっぱり惹きつけられるのは泰西名画の方でして、ここでもいささかの紹介をさせていただきますか。


まずは、何故だかこのロサンゼルス行のなかでは素敵な作品にめぐり合っている

フラゴナールなのですね。「またか!」と言わずにご覧あれ。

フラゴナール「The education of the virgin」


1748~52年頃の作とされる「The education of the virgin」という作品ですけれど、
どうでしょう、このドラマティックな画面は。
こういっちゃあなんですが、「これがフラゴナール?」と思われませんでしょうか。


そしてまた「おお、ここでお目にかかれましたか!」という一枚がこれです。



ゴーギャン「Bon jour, Monsieur Gauguin」


ゴーギャン の「Bon jour, Monsieur Gauguin」(1889年)、
まさしく「こんにちは、ゴーギャンさん」てな感じですね。
この「こんにちは、ゴーギャンさん」はもう1枚、プラハ国立美術館にもあるのですけれど、
ここの解説によれば、「こっちの方が出来がいいだけんね!」ということらしい…です。


とまれ、どこにあってもよそ者感を抱いたゴーギャンらしく、
はっきりしない顔にそんなよそよそしさが表れているような気がしてきますね。


ロートレック「Study for In the salon on the Rue des Moulins」


お次はロートレック の「Study for In the salon on the Rue des Moulins」(1894年)。
習作ということですけれど、十分立ち上がった作品ではないかと思われますし、
表情をカリカチュアライズさせることの多いロートレックのわりには、
意外にも?普通の顔立ちの女性たちが描かれているんですよ。


ゴヤ「The Straw man」


それからこちらはゴヤ の「The Straw man」(1791年頃)でして、
やはり同一テーマで有名なのはプラド美術館にあるのですが、
楽しそうな遊びの様子でありながら、「Straw man」に仮託されたものをあれこれ思うとき、
この暗めの色調が何をか言わんやであるのは、こちらの作品でもたっぷり放射されているのですね。


そしてそして、極めつけがギュスターヴ・モロー でありまして、
「king David」(1878年)と「Salome dancing before Herod」(1876年)の2枚です。


モロー「king David」



モロー「Salome dancing before Herod」



思いのほか大作で、装飾品なども「よく細かく描いたよなぁ」と思うわけですね。
実際には「描いた」というより「絵の具を置いた」感じになる部分ではありますけれど。
そこらへんがいくらかでも記録できないかと接写を試みたのですが、
せいぜいこの程度にしかならないことをご容赦ください。


モロー「king David」部分 モロー「Salome dancing before Herod」部分


最初から小さい美術館とお断りはしたももの、これだけではないんですよ。
コローマネモネピサロルノワールセザンヌボナール も、ゴッホ だってあります。
それぞれ一作品ずつであったとしても、何の不足がありましょう!てなふうに思ったり。


MOCA もそうだったんですけれど、誠に残念なのはコレクションを収めた図録が
ショップにおいてないことなんですね。
「また見においで!」ということなんでしょうかねえ。