どうも吉祥寺美術館に立ち寄るとき は「ついで」の感が否めないのですけれど、
こぢんまりとしたスペースですから時間調整には打ってつけの場所ということで。
外はなにしろ暑いですし、暑熱を避けるという意味でも。


田淵行男写真展@吉祥寺美術館


ということで覗いてみた吉祥寺美術館では「田淵行男写真展」が開催中でありました。
写真の関係もまたいささか疎いほうですので、

この田淵行男さんという方をちいとも知らなかったのですが、
「日本を代表する山岳写真家」なのだそうです。


もっともそもそものところは「高山蝶」の研究家ということでありまして、
細密に蝶を描き出す「写蝶」(これは田淵さんオリジナルの用語のようですが)に取り組まれていたのだとか。


写真に混ざってこの「写蝶」作品も並んでいましたけれど、

A4大くらいに拡大した形で描かれている蝶を見ると、
果たしてこれを美しいと見るか、ちと怖いなと見るか、人それぞれでありましょうねえ。


高山蝶は文字通り、高い山にいるわけでして、それを求めて高いところ、すなわち山に登る。
さすれば、山々の景色を写真に撮りたくなる。
嵩じた結果が、山岳写真家と呼ばれるようになっていた…てなことのようです。


長らく暮らした長野県安曇野市から見える北アルプスの山々、つまりは常念岳や蝶ヶ岳、
そしてそこに登ることによって得られる槍や穂高の稜線を切り取った写真を中心に、
田淵さんの著書からの引用とともに展示されているのですけれど、
必ずしも写真に寄せた文章ではないながら、山の魅力を語って余りあるものであったような。


昨今かなり年齢の高い方々がたくさん山に登られ(たくさん事故に遭遇し)てたりしますが、
おそらくはそうした方々の思いとは、山の魅力と言いましても田淵さんのは別のところにあったようですね。


なにしろ山に入るのは、静かに自然と対峙するためということですので、
とにかく単独行であったようですし。


山を街中の喧騒から離れたところとして、そのままの山と向き合うには、
わいわいと大勢で出かけるてな形でなく、かなりストイックな臨み方が必要なんでしょう。
時には山の気に呑まれて、心細いというよりも怖ささえ感じることもあったでしょうね。
でも、それでこそ山なんだという。


何もリスキーな登り方を奨励するわけではありませんけれど、
山に登るなら田淵流がいいかなと思ったりするわけです。


それほど大層な山ではないながら、かつては結構登りに行っていたのが、
近頃はパタッと行かなくなってしまってますね。
一昨年だったか、高尾山 に登ったくらいでしょうか。

美し森 は山登りとは言えない程度でしたし・・・。


考えてみると、もとより人混みが苦手なほうなのに、山にまで行って人混みに直面するのでは
かないませんから、そのあたりも行かなくなってしまった理由の一つかなと改めて。


折りしも夏山シーズンが終わろうというときですから、
また出かけてみましょうかねえ、山の気にあてられないていどに。