空想旅行がポルトガルにたどりついた ついでに、
ポルトガルのことをぼやっと考えたりしたわけですが、
南蛮貿易とかヴァスコ・ダ・ガマとか種子島とか…
なんだか昔々のことしか印象にないのはどうしたことか。
なかなかポルトガルの噂?というか、話はあんまり聞こえてこないかなと。
でも、そんなときに「ファド」が思い浮かんで、
「そうだ、ポルトガルといえば、ファドだ!」というわけで、
早速聴いてみるにあたっては、
何と言っても第一人者と思しきアマリア・ロドリゲスを取り出すのでありました。
ところで、ファドなるものでありますけれど、またWikipediaからちょっと引っぱってみます。
ファドは、ユーラシア大陸の西の端、ポルトガルに生まれた民族歌謡。ファドとは運命、または宿命を意味し、このような意味の言葉で自分たちの民族歌謡を表すのは珍しい。主に「Casa de Fado」と呼ばれるレストランなどで歌われる酒場の音楽で、主にポルトガルギター(ギターラ)とクラシック・ギター(にスチール弦を張ったもの)、ヴィオラ(時には低音ギター(ヴィオラ・バイショ)が加わる場合もある)で伴奏される。また、ファドは暗く悲しいものだという誤解をもって紹介されることも多いが、我が町を賛美したり、街のうわさ話などを題材とした陽気なファドも数多くある。
ということではあるものの、
やはり翳のあるイメージがファドには似合うような気がしてしまいますね。
聴いてみた「オランピア劇場のアマリア・ロドリゲス」でも、
やはり翳りを帯びた曲調の方が声にも合っているようですし。
「郷愁」と言ってしまってはあまりに厚みのない意味になってしまいますけれど、
ポルトガル語の「サウダーデ」(サウダージとも)が籠もっているのだろうなあと思うわけです。
さてお次に取り出したのは、黙って手に取ればクロスオーバー的なものとして受け止めてしまう
ポルトガルのグループ、マドレデウスの「海と旋律」です。
ファドを根っこに持つということに思いを巡らしながら聴くからかもしれませんけれど、
アマリア・ロドリゲスとは全く違う音楽ではありながら、
どちらにしも、まだ見ぬポルトガルを想うような感覚に陥るのが不思議といえば不思議ですよね。
新しいんだけれど古いような、古いけれど新しいような、そんな奇妙な浮遊感を得られる。
もっとも、「海と旋律」自体もはや新しくなくなってしまってますけれど。
も一つはなかなか意表を付くかなと思いつつも、
知ってる人には「なるほど!」となるのが、久保田早紀ですね。そう、あの「異邦人」の。
他にそこそこヒット曲がないわけではないものの、あまりに「異邦人」が売れてしまったので、
すっかりイメージが固まってしまったこともあって、その後「オレンジ・エアメール・スペシャル」なんつう
カリフォルニアの爽やかな風~♪みたいな曲を歌ったときには腰を抜かしそうになりました。
(歌謡曲としては、好きな曲だったりしますが…)
ただ、彼女のファースト・アルバムであった「夢がたり」に収録された曲を聴くにつけ、
後の方では商業的に与えられた曲(歌詞)だったのだろうなあと思ったりします。
なんたって、♪フル・オブ・サンシャイン、エル・オー・ヴイ・イーですからねえ。
とまあ「オレンジ・エアメール・スペシャル」はいいとして、
「夢がたり」に収録されている「ギター弾きを見ませんか」の歌詞にファドが出てくるのですね。
このとき、ファドという言葉を初めて知ったんではなかったろうか…。
「異邦人」は日本人が作った歌のなかで、
これほどエキゾティックな熱い風のようなものを感じさせるものがあったろうか!という曲で、
どうしても沙漠、中東、シルクロードといった方面に思いが行き勝ちですけれど、
「夢がたり」を聴いていると、これはポルトガルであり、スペイン南部であり、
またモロッコであり…と思われるわけです。
海が出てくれば、それは地中海やポルトガルが臨む大西洋、沙漠の方はサハラではないかと。
と、思わず最後の方で口角泡を飛ばさん勢いになりつつありますが、
ファドに明るいイメージが結びつきにくいのは、
そしてポルトガルあたりのイメージをアマリア・ロドリゲスよりも
久保田早紀での方が思い浮かべやすいのは、
やっぱり「ちょっと振り向いてみただけの異邦人」だからですかね…。


