ホテル からかなり近いところにある施設ながら
「行こうかなぁ、どうしようかなぁ」と思っていたのですね。
観光地によくある、中味のうすぅい(看板倒れの)博物館、資料館の類い。
そんな気がしてしまっていたわけです。
だいたいHaus der Musik
という名称。
直訳すれば「音楽の家」でして、ガイドブックには「音楽館」なんつうふうにも書かれてたりしますね。
いったいぜんたい「音楽館って何よ?」って思いませんかね。
…とぐだぐだ言ってますが、結局のところ「行った」わけです。
すると…関係者のみなさまに陳謝いたします。
思ったりよりも面白いところだったというべきでしょうか。
Konzerthausでのコンサートまでのつなぎと思って立ち寄ってところが、
思いのほか盛りだくさんで、結果、
晩飯にラーメン をかきこんで、コンサートに向かうという破目に陥ったのでありました。
そのHaus der Musikですが、
市電のSchwarzenbergplatzで降りましたら(Operのひとつとなり)、
Ringの内側に延びるSchwarzenbergstrasseを突き当たりまで進んで、すぐ右手です。
Kaerntnerstrasseの方から行くには、Staatsoper裏の一本先で右のKrugerstrasseを進めば、
さきほどのSchwarzenbergstrasseの突き当たりにぶつかりますし、
もう一本先(Staatsoper裏の二本先)を右に曲がった細いAnnagasseを行っても右手に入り口が見えます。
(このAnnagasseのような細い道は、昼間通ってもあんまり面白くない…)
入場料は10ユーロ。
音楽系の施設の中では比較的高い方ですが、後から思えば相応の金額だったかなと。
日本語のオーディオ・ガイドが付いてきますしね。
まずは、ウィーン・フィル関係の展示室というフロアへ。
まあ大したものがあるわけではないですけれど、
著名な作曲家、演奏家のあれこれに囲まれるというのも何だか気分は高揚するような。
オペラよりも管弦楽がお好きな方は、むしろこちらの方がより楽しめるのかもですね。
例えばこれは、ウィーン・フィルを振った指揮者たちのタクト。
なんといっても、左側の下から2番目。
クナッパーツブッシュの指揮棒の長いこと。
それに比べてその下段、カラヤンとボスコフスキーの短いこと!
まあ、ボスコフスキーはもっぱらワルツやポルカでしょうから、
そうした曲にあまり大仰な指揮棒は似合わないという気はしますけれど、
カラヤンの方は握りの部分含めて、ここでも個性を出してるってことですかね。
こちらは、Neujahrskonzert(ニューイヤーコンサート)を振った歴代指揮者たちです。
大きく展示するほどのものではないと言ってしまえばそれまでですけれど、
改めてみると、ロリン・マゼール、リッカルド・ムーティ、次いでズビン・メータあたりが
お気に入りといったふうですし、2008年のジョルジュ・プレートルはかなり異質な感がありますよね。
ちなみに同じフロアには、ニューイヤーコンサート2009(バレンボイムが振ったもの)の様子を
ハイライトで見られる(45分間だったかな)視聴覚ルームがあります。
ビデオではありますが、大きな画面を使い、それなりに音響システムでしょうから、
家で見るのとは別の楽しみではありました。
階が変わると、ウィーン所縁の作曲家たちの紹介。
スペースを区切って、一人ずつ紹介しているのですけれど、
これがハイドンから始まるのは「そうでしょうなあ」というところ。
そして、モーツァルト、ベートーヴェンと続くのも当然ですねえ。
これで終わりかなと思いますと、続いてシューベルト、ヨハン・シュトラウスⅡ世が出てくるあたり、
「結構がんばってんじゃん」と思ったわけですが…
さらにマーラーがあり、新ヴィーン楽派まで用意していることには、
「へえ~」と感心してしまったわけですよ。「やるなぁ」と。
てなふうな展示の他に、「サイコロを転がして、ワルツを作ってみようゲーム」とか
「あなたもウィーン・フィルの指揮者になろうゲーム」みたいなものもあって、
子供でも(子供になって)楽しめてしまうところもあります。
ウィーン・フィルを振ってみよう!は、ビデオ画面に向かってセンサーのついた指揮棒を動かすと、
演奏が速くなったり遅くなったりするもの。
ちょうど母子で来ていたお母さんの方が、
果敢に「ラデツキー行進曲」を振っているところに出くわしたのですけれど、
これが無茶苦茶早くなったり、遅くなったりとテンポが定まらない。
たぶん見ながら物欲しそうな顔つきであったのか、
お母さんからタクトを渡され、息子(たぶん高校生くらい)から「がんばれ!」と激励されて、
指揮台にあがったのですね。
数曲から選べる曲目を「ハンガリー舞曲第5番」(簡単そうだから)にセットし、
いざ振り下ろすと、「ドリフターズかよ?!」という体たらく。
さきほどは、「お母さん、へた。プププっ」と思っていたのが、
「こりゃあ、機械が宜しくない!」と思ったりする始末でありました。
これ以外にも、「音」に関するあれこれを体験的に知ることができる装置が多々おいてあって、
かなり盛りだくさんな内容だったわけです。
ただ、日本語オーディオ・ガイドは作曲家紹介のところでしか使えないので、
全てを楽しむためには、ドイツ語ならずとも英語の読解に一所懸命取り組む必要がありますが…。
自分としても予想外ですが、また行ってもいいかなと思ったりしているのでありました。
【USEFUL INFORMATION】
思いのほかお楽しみ満載であったHaus der Musikですけれど、
よぉく考えるとウィーンならではの歴史的な「何か」があるわけではありません。
ですから、昼間にあちこち見て回るのに忙しいとすれば、自ずとプライオリティは下がり気味かも。
でも、ここ夜10時までやってるんですよね。
行ったときもガラガラでしたけど、夜ならなおのことかと。
誰の目も気にせず、ウィーン・フィルを数曲、振り倒すこともできますよ!




