しばらく前に、曲は知っているけれど物語を知らなかったということで、

ダフニスとクロエ 」を読んでみたことがありましたけれど、

それとまったく同様に「ペレアスとメリザンド」のことも実は知らないなあと思い当たりました。

折しも空想旅行がベルギーに到達 したことであり、またベルギー出身のメーテルランクの作ということでもあり、

手にとってみることにしたわけです。


Chain reaction of curiosity



図書館から借り出したものは、湯川書房というところで1978年に出した限定版らしいのですが、

後は岩波文庫にあるくらいでしょうか。なかなか読めない戯曲のようですよ。


それはともかく、シラーの「群盗」 ではありませんが、またしても兄弟の確執。

ただし、今度は王座といった権力の方はおいといて、もっぱら三角関係というやつでして、

その渦中の女性がメリザンドなのですね。


このメリザンドという女性、アルモンド王国の王子ゴローが狩りに来て

たどりついた森の奥の泉で泣いているという登場の仕方です。

髪が長く、非常に美しい…ということ以外、素性は一切不明、

何が悲しくて泣いているのかも、最後まで分からずじまい


それでもゴロー王子はそそくさと結婚してしまい、城に連れ帰るのですけれど、

そこにはペレアスという弟王子がいて…まあ、後は想像にかたくありません。


が、メーテルランクをして象徴主義とはよく言ったもので、

単純なお話として読もうとすると、訳のわからないことばかり。


始まりからして、城の女中連が「祝宴があるから」と大騒ぎするのですが、

ゴローとメリザンドは(劇の進行上の時系列で言うと)まだ出会ってもいない。


あれこれあって、最後にメリザンドがこと切れようとするときになると、

また誰も読んでないのに、女中連がメリザンドの部屋に集合してくるという…。


通りいっぺんに読むと、不可解というか、不条理というか、そんなところが多々あるわけです。

ただ、そんな不可解さがあればこそ、実際芝居に仕立てる際には演出家の腕の見せ所とも言えるでしょう。


ですから、演出家の目とまでは言わないにせよ、

敢えて深読みをあれこれしてこそ面白くなる話として作られているわけでして、

そう考えれば、あちこちに仕掛けがいっぱいということになるのかもしれません。


そうそう、タイトルが「ゴローとメリザンド」でなくって「ペレアスとメリザンド」ですから、

ペレアスはどうなっちゃったの?ということですが、

密会がばれて、あっさりゴローに成敗されてしまうということで、

およそタイトルロールらしからぬ哀れさ…。


ま、戯曲は戯曲として、「ペレアスとメリザンド」は音楽の方で楽しむとしましょうかね。

まずはフォーレ ということで…。

フォーレ:管弦楽曲集第1集(ペレアスとメリザンド/他全12曲)