ブリヂストン美術館「名画と出会う」展
なんともはやストレートなタイトルの展覧会ではあります。

ただ、ご存じの方はご存じのように、

こぢんまりとした美術館ではありながら、

ブリヂストン美術館 の収蔵品の見事さは

「名画と出会う」と豪語するだけのものではあるのですね。


何度も足を運んでいるものですから、

新鮮さは薄れつつありますけれど、

(それでも展示替えで初見の作品にも出会えますが)

ここへくれば出会える安心感と

空いているのでゆったり見られる空間は

誠にありがたいものだと思っているわけです。


ということで、何度めかの方でしたら、

ギャラリートークに参加されてはいかがでしょうか。

毎週水曜と金曜の15時から学芸員の方が作品解説を

してくれるのですから。


はじめての方にも、通(?)の方にも馴染む話をするのは難しいところでしょうけれど、

ついて回って関心のあるところだけつまみ食い的に耳をそばだてるとか…

「へえ、そうなの?!」と意外な発見があるかも、です。


見て回っていて、ウジェーヌ・ブーダンの「トルーヴィル近郊の浜」(1865年頃)や

エドゥアール・マネの「オペラ座の仮装舞踏会」(1873年)から、

「なるほど、印象派を準備した人たちだぁね」と思ったですね。

取り分けマネの描いた群像では、動きのあるシーンを写真に撮ったようなぼやけで

描かれた人たちの顔などは判別できないわけです。

それまでの集団肖像画とは趣きを大きく異にして、

ざわめく舞踏会の一瞬を早いタッチで切り取るあたりは、新しさとして後への影響大だったのだろうなと。


また、シスレーやピサロ では、年代的に「印象派」に至る前と後の作品が並べて展示してあって、

対比の妙を見ることもできるのですね。


もしかしたら、初めて見ることができたかなという作品では、

意外に大きかったロートレック の「ムーラン・ルージュ ラ・グリュ」(1891年)、

そしてピエール・ボナール の「灯下」(1899年)などがあったような。


特に、ボナール作品はドガの「室内」を思わせるような危うさを醸すものがあり、

目が惹かれたのですね。


とまあ、出向くたびに何らかのお楽しみや発見のあるブリヂストン美術館。

4月からのマティス特集展示も、楽しみに思えるのでありました。