ニューイヤー・コンサートと言えば、まず何よりもヨハン・シュトラウスあたりの
ウィンナ・ワルツやポルカを中心にした曲を集めたものなわけですね。
ひと昔前なら考えもしなかったことですけれど(と、また年代の知れる発言ですが)
NHKでは元日に、本物のウィーンのニューイヤー・コンサートを衛星中継してくれちゃいます。
毎年、客席に日本人と思しき人たちが見えるように、
日本人はこういうのが好きなんだという世界的共通認識があるせいか、
1月の半ばくらいまでは、いろんな楽団によるニューイヤー・コンサートが目白押しです。
コルソ・ウィーンやウィーン・オペラ舞踏会管弦楽団、ウィーン・リング・アンサンブル、
ウィーン・フォルクスオパー交響楽団、ウィーン・ヨハン・シュトラウス管弦楽団などなどなど・・・
全部が毎年来るわけではないのでしょうけれど、ウィンナ・ワルツが花盛り!
(またまた腐しているようですが、聴きに行くと結構面白いし、楽しめる)
その一方で、新春というとやはりNHKでやっている「ニューイヤー・オペラ・コンサート」が
今年(何と!)52回目だったように、オペラのガラ・コンサートも毎年ニューイヤーらしさを醸しています。
ということで、例によって長い前置きですけれど、
ヴォーチェ・ドーロという声楽家の集まりが主催したガラ・コンサートを聴いてきたのでした。
オペラのガラ・コンサートというと、
管弦楽をバックに多彩な声楽陣が次々と登場し、
おしゃれなトークも交えた華やかな…と想像しそうですけれど、
今回のコンサートは、ピアノ伴奏で8人の歌手が
あれこれのアリア(時に重唱)を歌うのですけれど、
会場が、驚くなかれ!180人収容という小ぢんまりとした
スタジオ然としたところ。
でも、これはこれで凄いですよ。
新国立劇場や東京文化会館の大ホールでやるときと同じ声量で迫ってくるわけではないでしょうけれど、それでもたっぷり以上の歌唱がほんの目と鼻の先で展開するのですから、
鼓膜はもとより、体中にびんびん来ます!
いやいや、楽しませてもらいました。
が、記事タイトルからすると、何やらネガティヴな印象を持たれた方もおいででしょう。正解です。
ただ、先に言っておかなければならないのは、今回のコンサートの中身や質を云々するものではないのですね。
なにしろ楽しませてもらったのですから、出演者の方々の名誉(?)のために、これだけははっきりさせておきましょう。
では、何がいったい疑問符かというと…
実は出演者の方々が、歌ってくれるアリアの解説をしてくれたのですけれど、
どうしたってオペラ自体のあらすじにも触れることになるわけです。
ちなみに、取り上げられたオペラ(複数のアリアが歌われたものもありますが)は次のようなものです。
- レオンカヴァレロ「道化師」
- ドニゼッティ「アンナ・ボレーナ」
- プッチーニ「西部の娘」
- ビゼー「カルメン」
- グノー「ロミオとジュリエット」
- モーツァルト「ドン・ジョヴァンニ」
- ヴェルディ「シチリアの夕べの祈り」
- ヴェルディ「椿姫」
- ヴェルディ「イル・トロヴァトーレ」
- チレア「アドリアーナ・ルクブルール」
- ヴェルディ「ドン・カルロ」
- ジョルダーノ「アンドレア・シェニエ」
まあ、オペラというものはそういうものだと言ってしまえば、それまでなんでしょうけれど、
オペラの物語というのは、何とハッピー・エンドにならないことか・・・
劇中で歌われるアリアなどの歌唱の一つ一つは、その時々の流れで明るくハッピーなものもあるとはいえ、
お話としては悲劇的な結末なのですよね。
結局、出演者の方があらすじを説明してくれて、ご本人方も「新年にふさわしいのかどうか…」と仰る。
なんだか、その通りだよなあ・・・と思ってしまったわけです。
その点、上に書いたプログラムが終わって、アンコールで歌われたヨハン・シュトラウスの「こうもり」、
そしてレハールの「メリー・ウィドウ」は、いいですよねえ!底抜けの明るさがあって。
ということになると、やっぱりニューイヤーはシュトラウス・ファミリーに分があるということですかね。
