しばらく前にサン=サーンス のことを書きましたけれど、
どうもサン=サーンスというと、とにもかくにも「動物の謝肉祭」が有名過ぎて、
この曲が子供向けのお話付きで演奏されたりするものですから、
ちょっと低めのポジションに見られがちかもしれません。
しかし、先に聴いたピアノ協奏曲のライナー・ノーツには、こんなことが書かれていたのでした。
循環形式は、フランクの弟子たちが熱心に推進したせいもあって、フランクの功績と考えられ勝ちである。だがサン=サンーンスの方が、むしろフランクより早く循環形式のアイディアを育てつつあった。1855年のピアノ五重奏曲イ短調、1859年の交響曲第2番イ短調は、サン=サーンスが循環形式を用いた初期の実例である。
おお、そうなのか?!と思いはしたものの、
それでもやっぱり一般的には循環形式と言えば、セザール・フランクかなと思ってしまうところなわけです。
サン=サーンスの交響曲第3番もオルガン付きということもあってか、
今でも演奏会レパートリーにのっていますし、CDも豊富な、フランス系としては珍しい交響曲ですけれど、
もしかしたらそれ以上にCDが出ていると思われるのが、フランクの交響曲ニ短調なのですね。
もっともフランス系でくくっているものの、フランクはベルギー出身ですし、
もともとはドイツ系の家柄らしいですが。
ということで、フランクの交響曲ニ短調のCDを久し振りに取りだしはしましたけれど、実は個人的にはあんまりピンとこない曲なのですよ。
カラヤン指揮のパリ管による名盤と思しきものも「うむぅ」と思ってしまうものですから、今回は熱血バルビローリがチェコ・フィルを振った一枚。
もともと60歳を遥かに超えてから作った唯一の交響曲だけに、
熱血漢の演奏が似合うかどうかは別なのかも…ですけれどね。
ところで、オペラを書かなければ相手にされないような、当時のフランスの音楽界にあって、
何だってこれだけ高齢になってからわざわざ交響曲を書いたのかは、この後の探究が必要ですけれど、
初演はさんざんだったようですね。
フランクの弟子でもある作曲家ヴァンサン・ダンディの回想によれば、こうなります。
オーケストラのほとんどのメンバーはこの新作交響曲を嫌がったが、指揮者だけはなんとかやり遂げようと努力した。終了後、聴衆は唖然とするだけで、ほめもけなしもしなかった。
こうなると、個人的にピンと来ようが来なかろうが、
時折とてもメロディアスだなと思えるところがあるだけに
フランクが可哀想に思えてくるわですけれど、
同時代の作曲家グノーなどは「無能としか言いようがない」と言ったとか。
ちゃあんとローマ大賞も取り、オペラも書いているグノーにすれば、
パリ音楽院でも作曲科でなくて、オルガン科の教授であったフランクは
単なるオルガン演奏家としか見られていなかったのかもしれませんね。
(ちなみに、フランクもローマ大賞をとれなかった・・・)
ワーグナー
からの影響が大きかったと言われるフランクですから、
もしかするとワーグナーつながりから、そしてオルガンつながりから
ブルックナーを意識して交響曲に挑んだのかなとも思えてきます。
フランクがニ短調交響曲を作曲した頃には、ブルックナーは8番シンフォニーまで進んでましたから。
とまあ、交響曲ニ短調に絡む話は尽きないわけですけれど、
個人的には「うむぅ」と申し上げたフランク。
その魅力はと言えば、これまた代表作でありますが、
ヴァイオリン・ソナタイ長調ではないかと。
録音は、1929年と80年近くも前の演奏ですけれど、
フランクの生きた時代の残り香が漂う、アンニュイな雰囲気を
ジャック・ティボーのヴァイオリン、アルフレッド・コルトーのピアノでお楽しみになられてはいかがでしょうか。

