これまで光文社の古典新訳文庫にはかなり興味を抱いてはいましたが、
読んだのは初めてということになります。
巻末の「刊行の辞」にあるように、
「いま、息をしている言葉で、もういちど古典を」
という考え方には肯けるところもありますから。
一方で、いささか古めかしくも格調高い(と思しき)訳文で読むのも、
古典ならではの楽しみではありますが。
というところで、初めて読んだ古典新約文庫はチェスタトンの「木曜日だった男」。
ほんとは、あれだけ話題にしてますから、亀山先生訳の「カラマーゾフ」 にしようと思っていたのですが、
長いので、意を決して臨まないとなりませんので…。
しかしまあ、
この手の本のことを書くというのは、なかなかに難しいことですね。
読んだことのない方が、もしかしてこれから読もうかなというときに
内容に触れてしまっては身もふたもない。
「謎」が含まれた話というのは、その辺がやっかいといえば、やっかいです。
読み始めて、導入から「ええ、そう来る?!」と、まずはいいつかみ。
そして、同様の意表の突き方が、波状攻撃を仕掛けてきます。
そのうちに、「またかよ…」になってきますが、
ここまで徹すると、それはそれで大したものなのかも。
でも、それ以上にびっくり仰天なのは、終わり方。
解説に曰く「その物語は、筋書たるや奇想天外-探偵小説にして黙示録、副題のごとく一つの悪夢である-」。
果たして、これで腑に落ちていただけるものでありましょうや。