せっかく興味の向く先がブリテンに立ち寄りました
ので、
書棚から「近代・現代英国音楽入門」を引っぱり出して
パラパラやっておりました。
イギリスの音楽(クラシックですが)のことは以前にも書きました けれど、17世紀後半に現れたヘンリー・パーセルのあと、
相当の期間が空白と言われています。
つまりは作曲家不在と。
エルガーが現れるまでとか、ブリテンが現れるまでとか、
言われるようでして、つまりは150~200年間くらいですね。
1900年頃になっても、あの辛辣なバーナード・ショーはこんなことを言っています。
演奏会に来ている連中は、クラシック音楽が好きなのではなく、好きであるべきだと思っているにすぎない。
つまりは、当時のイギリスにとってのクラシック音楽は舶来ものであって、ありがた~い教養のようだったのかもしれないですね。
まあ、バーナード・ショーの発言趣旨とはおそらく違うんでしょうけれど、
ことほどかほどにイギリスは、クラシック音楽の消費地ではあっても生産地ではなかったというわけです。
確かに、ヘンデルやヨハン・クリスチャン・バッハ、
そしてハイドンなんかもずいぶん出稼ぎに来ていたのではなかったかなと。
しかしながら、それでもどっこいイギリスのクラシック音楽の伝統は連綿と続いているのだよということを
紹介するのが本書なのですね。
といっても、紹介されているのは1850年代以降でして、どちらかといえば20世紀になっても、
新古典主義的な音楽を書いている人たちが出てくるということは、それだけ空白期間が長く、
後追いしているということの証左になってしまっているのかも。
そういう音楽の方が、素人にはとっつきやすいので個人的にはありがたいですが・・・。
それにしても、ヒューバート・パリー、チャールズ・スタンフォードに始まって、
ジョン・アイアランド、ハーバート・ハウェルズ、ピーター・ウォーロック・・・と、
その音楽を一度も聴いたことがなかろうなあという作曲家のオンパレード。
(知ってる人を省きましたが、エルガー、ヴォーン・ウィリアムズ、ホルスト、ディーリアスなども出てます)
LPレコードからCDの時代になって、
今まで埋もれていた曲やカタログの隙間を埋めるような選曲のアルバムが作られる時代だからこそ
日の目を見て、聴くことができるようになった曲たちかもしれません。
そんな中のひとつで、「英国ならでは」と言って良さそうなのが、
「ライト・ミュージック」というジャンル。
本書にも同じような記載がありますが、そのまま訳すと「軽音楽」になってしまいますから
大学のポピュラー・ミュージック系音楽サークルみたいになってしまいます。
でも、これはライト・クラシックくらいに言うと、ニュアンスをつかみやすいところですね。
曲目で言うと、代表的なのはケテルビーの「ペルシャの市場にて」ですかね。
ケテルビーはほとんど国外に出たことがないそうなので、エキゾチックさを想像して書いたようですけれど、
ともかく聴きやすい、そして覚えやすいメロディをふんだんに盛り込んで、
とにかく楽しい音楽(大衆受けする音楽)が量産された時代が20世紀前半にあったようなのです。
これがですね、なかなか心地良いのですよ。BGMにうってつけです。
まずは、ビンジなどを手始めに。
NAXOSの兄弟分、Marco Poloレーベルの「British Light Music」シリーズで堪能できますよ。

