ふと立ち寄ったお店で衝動買い。まま、あることですよね、きっと。

最寄駅の改札近くにある中古CDショップには、毎日とは言わないですが、

ついつい立ち寄って「何かないかな」と、あてもなく一回りすることがあります。


だいたいは収穫なしで引き揚げるのですけれど、たまにはくくっと食い入ってくるものがあるわけです。

たとえそれが、全く聴いたことのない曲、聴いたことのない作曲家のものであっても、

ジャケ買いに及ぶような食い込み方もありますよね。

ペルト:ヨハネ受難曲
それがこの、アルヴォ・ペルト「ヨハネ受難曲(Passio)」なのでした。

辛うじて、ペルトが現代の作曲家だということくらいは知っておりまして、

とかく現代音楽は敬遠しがちなところなのですけれど、

「まあ、フィリップ・グラス が大丈夫なんだから…」

(という理屈付けが必要ではないですけどね)

と、ミニマルつながりで行けるだろうと踏んだわけです。

それにしても、シンプルですけれど、素敵なジャケットでしょう。


そして、音楽の方もこのイメージに違わず、静謐な雰囲気を湛えた宗教音楽でありました。

一聴、グレゴリオ聖歌 のような印象ですけれど、当然ながら何かが違う。

古ぅい音楽のようでありながら、例えばバッハの宗教曲などとも全く違うわけですね。


伴奏がヴァイオリン、オーボエ、チェロ、ファゴット、オルガンだけという非常に切り詰められた音でできていて、

高音の持続が緊張を強いるところがあるように、どっしり支えるというよりはある種の浮遊感があって、

さらには「エッジの立った音」といいましょうか。


決して流麗なメロディがあるわけでなく、非常に刈り込まれたフレーズが繰り返されたり(ミニマルの名残)しているのですけれど、これがかなり耳に残るのですね。


ひとくくりに現代音楽と言ってしまいますけれど、

がちゃがちゃした音楽の時代を通り越してたどりついた、先祖返りのような静謐な音楽。

これも聴いたことがないのですが、ジョン・タヴナーあたりの音楽も同様なのかもしれないですね。