用があって三鷹に出向くついでに、「文学散歩」と洒落てみました。
訪ねたのは、3ヵ所。
ひとつめは、今年の3月にオープンしたという「太宰治 文学サロン」 です。
三鷹駅南口から3分という近さは、ふらり立ち寄る気にもなろうというものなのですね。
この、くつろいだ太宰の姿が撮られた場所として有名な銀座のバー「ルパン」を再現したという内部は、
元々「ルパン」の店内がこのくらいのスペースだったのでしょうか、
あんまり多くを期待しない方がいい広さ(狭さ)なわけです。
ですから、展示資料の点数も少なめではありますが、
それを補って、館内のボランティア・メンバーの方が丁寧に説明してくれます。
なんでも、毎月第4日曜日には三鷹駅から出発して、
市内の縁の地を回るウォーキング・ガイドも行われているということで、機会があればぜひ!と勧められました。
展示ではやはり直筆原稿が気になるところです。
(残念ながら複製、本物は日本近代文学館にあるのだそうです)
推敲の跡が見てとれるのは、なかなかに興味深いところなのですね。
とりあえず、このサロンの場所というのが、
太宰がよく通ったとされる伊勢元酒店の跡地というあたりで、偲ぶよすがとなるということでしょうか。
お次は太宰の入水した玉川上水沿いの「風の散歩道」を通って、山本有三記念館へ。
途中に「このあたりで太宰が入水したのかな」という辺りに、故郷の金木町から運んだ石が置いてあります。
さて、山本有三記念館
ですが、
これがなかなかモダンな洋風建築なのでした。
このあいだ出かけた鴎外の「舞姫の間」 の和風が
どうしても思い出されたり・・・。
ま、時代が違いますけどね。
でもって、訪ねてはみたものの、
実は山本有三の小説は読んだことがない!
ということにハタと気が付きました。
「路傍の石」(記念館入口に、石あり)や「真実一路」、
「女の一生」などを書いたことは文学史の基礎知識として知ってはいるものの、それだけ。
もとより、作品数はさほど多くなく、
後半生はもっぱらの仕事は国会議員ですから、
明治・大正・昭和の文学者として
この人!と言われる順番は遅めかもしれないですね。
建物としての面白さはありますけれど、
資料的には「う~ん・・・」と思ってしまうところです。
最後に訪れたのは、山本有三記念館とは方角があっちこっちで、離れているのですけれど、禅林寺というお寺さん。
知っている人は知っているのでしょうけれど(実は知らなかった)、
太宰治と、そして森鴎外の墓所なのですね。
なんだか墓石を撮るというのもなんですが、せっかく来たものですから一応。
区画番号で太宰が8-5、森鴎外が9-6というところですから、はす向かいどうしになっています。
毎年6月19日には太宰の命日ということで「桜桃忌」が行われ、今でもたくさんの人出となるようですから、
さぞや森林太郎さんは6月19日のたびに、草葉の陰で眉をひそめておられるかも・・・。
と、思いつきで出かけた一回りですけれど、
これでまた何か読もうかなという気持ちにはなるものなのですよね。

