先日聴きに行った「クラリネット・フェスティバル2008」 の中で、

「ホルツの会」というクラリネット・アンサンブルが、

レスピーギの「リュートのための古風な舞曲とアリア 第3組曲」を演奏しておりまして、

これは、弦のざざぁっという音色が良いのだよねと思っていたこところへ、

実はクラリネットだけのアンサンブルでも「聴かせてくれるじゃないの!」と思ったわけです。


そこで、「あったはずだよなあ、CDが」と

またあちらこちらを引っ掻きまわして、

見つけたのがこれ。

ネヴィル・マリナー指揮による

アカデミー室内管弦楽団の演奏です。


このレスピーギがボローニャ生まれと言いますから、

取りいだしたるタイミングとしては、

「ボローニャ紀行」を読んだばかり ですから、

なんとも奇遇だなと。


ところで、レスピーギですけれど、何といっても「ローマ三部作」、

分けても「ローマの松」が圧倒的に有名ですよね。

曲をご存じない方は、もしかすると盆栽めいたものを思い浮かべてしまうかもしれませんけれど、

ローマ周辺にある、4カ所の松のある情景を音で描きだしたものなわけです。

この多彩な音の洪水は、偏にレスピーギの管弦楽法の成せる技ですから、

実に見事なものなのですよ。


そのレスピーギが、先の本(「ボローニャ紀行」)でいうところの「ボローニャ方式」のように、

15~6世紀に使用されたリュートという古典的な楽器のための曲集からインスパイアされて、新しい命を吹き込んだといいましょうか、

レスピーギ持ち前の多彩さは封印して、古典の再現をしぶぅく目指した楽器使用術で編み出したのが、

「リュートのための古風な舞曲とアリア」です。

組曲は3つあり、最後の第3組曲が一番演奏される機会が多いものですが、

これがですね、いい曲なんですよね。

間近に来ている秋の夜、ふうっと肩の力を抜いて、

昔々のヨーロッパなどに想いを馳せながら聴く。

あるいは、有元利夫さんの絵 なんかを眺めつつ、聴く。

良いですなあ。


先に取り上げたCDは、どうやら廃盤かもしれませんけれど、実はお薦めなのですね。

手に入りやすいもので、この3つの組曲すべてを収録しているCDも出ていますけれど、

これがお薦めなのは、組曲では第3番しか入っていないかわりに、

同じレスピーギの作った組曲「鳥」とバレエ組曲「風変わりな店」が聴ける点です。


いずれもあまりCDでも演奏でも取り上げられることがないのですけれど、

レスピーギの管弦楽法が存分に楽しめるものとなっていますから。

とはいっても、中古屋さんで探したり・・・っていうことまで、普通はしないでしょうなあ。

ま、ここでは「リュートのための古風な舞曲とアリア」第3組曲のさわりだけでもお聴きいただければと・・・。