企業や個人の所蔵されているが故に普段はなかなかお目にかかれない、
そんな絵画の数々を集めた展覧会が、毎年この時期にホテル・オークラのボールルームで開かれています。
去年初めて気がついて出向いた のですけれど、今年で14回目。
よもや盗品ではない とは思いますが、美術館では出会えない絵画たちに会いに行ってきました。
今回のタイトルは、「パリのエスプリ・京の華・江戸の粋」というものなのでした。
タイトルにある「パリのエスプリ」に相当するものとしては、印象派の絵が充実していたのですよ。
モネにも、やっぱりまだまだ素敵な絵がありますね。
かの「印象・日の出」を生み出してから10年後、
光の探究に余念のなかったモネが1882年に描いた「税官吏の小屋・荒れた海」です。
同年夏に滞在した、ノルマンディー地方の海辺の避暑地ブールヴィルで描いたものですけれど、
海の水面(みなも)を、スイッスイッを掃いていくタッチが素晴らしいのですね。
この絵は、日本テレビ放送網株式会社が持っているのだとか。
翌83年にモネはジヴェルニーに移り住みますが、
その年に、もう少しセーヌを下ったヴェルノンで描いたものが、「ヴェルノンの教会の眺め」。
モネにしては、ものの形がはっきりしていますので、シスレーかな…とも思ってしまうところでしたけれど、
こう言ってはなんですが、やっぱりモネの方が役者が上かな!と。
こちらは、吉野石膏株式会社の所有でして、山形美術館に寄託されているようですから、
まだ見るチャンスはありそうですね。
これら以外にも目を惹く作品が多々ありましたけれど、
続いて日本画のコーナーへ。
こちらの企画で面白かったのは、北斎と広重ですね。
もともと「美人画」の類いは、
あまりそそられない性質ですので、
どうしても風景画に目が行ってしまうわけです。
普段はどちらかというと、洋画ばかりを見ているのですけれど、
改めてこうした日本画に接するとかなり大胆なことをやっているなと思うのですね。
フランスで「ジャポニスム」がもてはやされたというのも分からないではない・・・
もっともその中には、「なんでこれに関心するの?!」といった要素もないではないですが。
ところで、本展はチャリティーでもあるので、
図録(300円と安いが、画像少なし)を買うには募金箱にお金を入れます。
そして、その図録には投票券が折り込まれていて、
今回の展覧会の「マイ・ベスト」を投票できるようになっています。
ちなみに、一票入れてきた作品は自分でも「あらあら」でしたけれど、日本画なのでありました。
北村映月という画家の描いた「舞妓」像です。
今しがた、「美人画はねえ」と言ったばかりですが、舞妓の像とは。
でも、一目見ておわかりのとおり、技法は日本画だとしても
伝統的な「美人画」とは全く違いますよね。
むしろ、エコール・ド・パリの画家か誰かが
日本情緒にトライしたといったデフォルメがあります。
もっとも、1960年の作品ですから洋画の技法が逆輸入されていて、
このような作品が生まれたのだと思いますが、
日本画ではあまり見ない味わいについつい一票、投じた次第なのでした。



