三鷹市美術ギャラリー で開催中の「怪獣と美術」展を見てきました。
これは、素晴らしい絵を見てこようといった動機では全然なくって、
レッドキングやらカネゴンやらが配されたチラシを見て、
「なっつかしいなぁ~!」と思って、出かけたわけです。
もう、のっけから「ウルトラQ」「ウルトラマン」に登場した怪獣たちを
作り出した際のイメージ原画の大行進!
これも知ってる、あれも知ってる、これこれ、見た見た、
うぉ~これよ、これ!と言った具合。
そして、付けられた解説を見れば、いまさらながらの発見がざくざくと。
「ガラモン」(下の写真の右の方)は、魚の口に犬のような鼻、人間のような眼、
そして身体には魚のヒレをつけたものから生まれてきたと言います。
ガラモンは、ガラダマという隕石(?)から登場するわけで、
まさにがらがらした感じの身体の皮膚は、
隕石のかけらのような岩くずかと思っていたのですれど、魚のヒレだったのかぁ。
面白いのは、制作費の関係なのでしょうけれど、着ぐるみの使いまわす必要にせまられて、
それとばれないようなデザインをしている(させられている)ということ。
かの有名な「バルタン星人」はウルトラQの「セミ人間」の使いまわし、「ガボラ」も「ネロンガ」の、
「ギャンゴ」(上の写真の左の方)も「ベムラー」の改造なのだと言います。
全く思いも寄らなかったのですが、言われてみればなるほどと思うわけです。
作者の成田享さんはさぞ苦労したのでしょうねえ。
ただ、個人的な趣味嗜好の反映もされてはいるわけで、
何と「ゴモラ」の角は、黒田長政の兜から想を得たというのですから、閃きとは不思議なものです。
「ウルトラマン」の初案というのも展示されてましたが、これが何とも不気味なもの。
あのまま作品にしてたら、たぶん子どもの頃には悪夢にうなされ、
見続けることはなかったろうなと。
紆余曲折が最終形になったのでしょうけれど、「本当に強いものは微かに笑う」という考えて、
口元にアルカイック・スマイル然としたものを配したと知って、
子ども向け番組とは思えないようなことを考えて作っていたのだなと関心してしまったりもしました。
原画のみならず、怪獣デザインの作者たちの絵画作品もあったりして、
実にシュールな絵も見られたりしました。
上の夕陽にたたずむ「カネゴン」の絵は、なかなか哀愁を漂わせて良いではありませんか!
と、結局怪獣に帰ってきてしまいました・・・