東京・白金にある松岡美術館 で出会ったアンリ・マルタンに「ほぉ~!」と思い、

どこに行ったら他のマルタン作品にお目にかかれるだろうと検索しているときに見つけたのが、

諸橋近代美術館 です。


そのときは、福島県の山の方だし「いつか行けることがあるかな」ぐらいに思っていたのですけれど、

やっぱり「行く時は、行く!」って思わないとダメだし、思えば行けてしまうものなのですよね。

(あたりまえか・・・)



これではちいとも、建物の凝りようが分からない写真ですが、まあそれはともかく・・・

まだ開館10年、きれいにしているなあという印象です。

でも、外見よりも肝心な中身は・・・いやあ、素晴らしかったですよぉ!


もともとは福島の地場からスタートして、

今や全国展開もしている(らしい)スポーツ関連事業を行う会社のオーナーのコレクション。

館名のとおり諸橋さんですが、この方がサルヴァトール・ダリ展を見て「びびっ!!」と来てしまい

ダリの彫刻30点余りを一括購入(!)したのが、コレクションの始まりだとか。


ダリ「宇宙象」 エントランスから奥へ向かって、長方形の広めのホールには、

このダリの彫刻作品がところ狭しと展示されています。


例えば、右の画像は「宇宙象」という1980年の作品。

絵画にも登場する「あしなが象さん」ですけれど、

写真でみると小さそうに思えてしまいますが、

実はこの作品、高さが2m75cmあるのですよ。


個人的には、この象を見ると

「スター・ウォーズ」を思いだしてしまうのですけれど、

(印象の問題ですから、お気になさらずに・・・)

それはともかく、こうした大型の彫刻作品がずらり並んだ様子は圧巻です。


ダリが描くシュールな世界が平面から三次元に飛び出してきた!

これだけでも、目が釘付け状態なわけですね。


ところが、彫刻のある中央ホールに隣接していくつか区切られた部屋には

さまざまな絵画の展示があります。


まず、最初は「10年の歩み」展という、開館10周年を振り返る展示。

最初のダリ彫刻の一括購入に始まるダリ収集、そしてコレクションの広がりが解説されていました。


コレクションからの特集展示を行う部屋は、「印象派と20世紀の巨匠たち」というタイトル。

まあ、タイトル自体は陳腐ではありますけれど、

多彩な個性を持った画家たちの作品をぐるぅりと見られるというのは、なかなかに贅沢なものです。


シスレー、ボナール、セザンヌ、マティス、ヴラマンク、ユトリロ、藤田、ルオー、ピカソ、ミロ・・・

そんな展示の中に、アンリ・マルタンの一点「牡丹の花瓶」がありました。

松岡美術館で見たものが風景画でしたので、ちょっとピンとこないところもあったのですが、

艶やかな筆あとは、思わず目を釘付けにするものではありました。


これ以外にダリの絵画作品がいろいろとあって、腰を据えて臨みたい美術館であったなと思うわけです。

ダリと言えば、「何を考えてるんだか・・・」と思わないではないですけれど、

改めてその作品に接してみると、本当に絵の巧い人だなと思うわけですね。

その巧さの上で、好き勝手?をやっているから許せてしまうし、妙に納得してしまったり。


最後に、同館所蔵作品から、だまし絵をひとつ。


ダリ「ビキニの3つのスフィンクス」

「ビキニの3つのスフィンクス」(1947年)という作品です。

最初、「どこがビキニなんだよ?水着じゃねえじゃん」とボケてしまいましたが、

ビキニ環礁の水爆実験がモティーフですね。

いちばん手前のキノコ雲状の頭、この中にアインシュタインの顔が描かれているということですが、

果たして分かりましょうか?

さらには、その左側奥のこんもり木の葉状の中には、フロイトもいるんだそうです。

まあ、画像が小さすぎるのでこっちは分かりませんよね。


とにもかくにも、出かけて相応に甲斐のある美術館であったと思うのでした。