絵本ではありませんけれど、こないだ国際子ども図書館で見てきたもの
に
後押しされて、チャペックの子供向けのお話を読んでみたのでした。
すべては、大したことのない話…と言ってはそれまでなのですけれど、
子供たちは、必ずしも「ストンと落ちる話」、「万事説明がつく話」を
求めてはいないのですよね、きっと。
ですから、そういう大人が納得する説明は脇へ置いておいて、
どれほど子供の夢を持たせつつ、
しかもあざとくなくちょっとの教訓を与えられたとすれば、
それはそれで、大したものなのだろうと思いますね。
で、このお話の作者、カレル・チャペックはどうかと言えば、
やっぱり空想力(想像力というよりも・・・)のある人なんだなあと思うわけです。
例えば、にわとり以外の鳥がなぜ空を飛べるようになったのか?
これは本書の中の「小鳥と天使のたまごの話」に出てくるのですけれど、
こういうことなのだそうです。
夜空を横切る流れ星というのはね、実は「天使のたまご」なのですよ。
あるとき、地上に落ちてきた「天使のたまご」を見つけた鳥たち。温めてかえしてやらなくてはと、いろんな鳥が入れ替わり立ち替わり、協力して「天使のたまご」を温めたそうな。
あるとき、にわとりにも「天使のたまご」を温めてくれるよう話がいきますと、にわとりが言うことには「わたしら、地面をつつくのに急がしくて、そんなことをやってる暇はないのよ」とつれない返事。
それでも、ほかの鳥たちは協力しあいながら、温め続け、うまくたまごから天使がかえったところで、天使はえらく喜んで、「みなにお礼をしたいが、どうすれば・・・」と問いかけたものの、リクエストはなし。
それではと、天使が施したことはといえば、天使と同じような羽を持っているのだから、
空を飛べるようにしてやろう!ということ。
こうして、鳥たちは大空を飛べるようになったのですけれど、
にわとりだけは相変わらず地面をつついていましたとさ・・・。
こうした話は聞いてしまうと、なんてことない。
誰にだって思いつくよ、ということかもしれないですけれど、
頭の中にしまっておくだけでなくって、
やっぱり最初に文字化、視覚化した人が「大したもんだ」と評価されるのですよね。
だから、その点でチャペックは大したものなのでありましょう。
ま、せっかくですから、カレル・チャペックの「大人向け」の本もまた、読んでみるとしますかね。
お、そうそう、本書にも収録された、なかなか愉快な挿絵は、
カレルの兄ヨセフ・チャペックの手になるものだと言います。
そして、有名な「ロボット」という言葉も、実はカレルではなくヨセフが名付け親だったりするらしいです。
万事協力の仲良し兄弟の合作というべき、作品集だったですかね。