2004年の単行本刊行時にも話題になったらしいのですけれど、
ちいとも知りませんでした。
それが、昨年4月に文庫化されるやロングセラーの様相を呈しているとか。
おそまきながら、そういう噂?を聞きつけたものですから、
近くの図書館に貸出予約の待ちを入れておいたのが、
ようやく手元に。
で、さっそく読んでみました。
読み進める間は、
きわめて日常的にありそうな恋愛小説だなあと思っていたんですね。
このくらいでいいなら、書けそうな勇気を与えてくれるというか・・・
ところが、最後の1ページ、というより、おしまいの2行でガツン!と来ました。
(もしこれから読もうとする人は、絶対におしまいのところ、見ちゃだめですよ!)
考えてみれば、途中途中で霧のように漂う違和感は感じていたのですよね。
そして、著者がミステリー作家であることをすっかり失念していたのが敗因なのでした。
完全に騙されたわけです。
これの謎解きを実に詳細に展開しておられる奇特な方のブログもあるようですけれど、
気付かされてみればサーカスのような、小説作法と言えるでしょうか。
こういってはなんですけれど、理学部数学科出身者の理詰めの組立ては相当に手の込んだもので、
読み流しながら、「このていどなら・・・」と不遜な思いを抱いたことを、大いに恥じた次第です。
こればかりは、何はともあれ、読んでごらんになられるのが一番。
「そうだったのか!」と分かったあとも、じわじわと「霧のような違和感」の元がクリアされるまで
ながぁく楽しめそうな一冊。いやあ、お見事でした!