これは舞台向きだよなあと思ったのでありました。
なにしろ、話のすべては一つの部屋の中で展開するのですから。
自殺したアイドル、如月ミキの一周忌。
インターネットの掲示板で、ミキのことを書きあう者どおしが
これを機会と集まってくるわけです。
現れた男5人が繰り広げるのは、
ミキは「実は自殺ではなかったのではないか」との推論に基づく謎解き合戦。
コアなファンだけが持つ知識を開陳することによって、
他殺説が浮上するばかりか、集まった5人の一人一人が次々と容疑者に・・・。
どうしたって思いだすのは、シドニー・ルメット監督の「十二人の怒れる男」です。
とある裁判の陪審員になってしまった12人の男たちがそれぞれの思惑を胸に、
ひとつの部屋の中で議論を交わし、感情をむき出しにし、ひとつの結論に至るという緊迫したドラマなのですね。
コメディ的要素は皆無ですけれど、
シチュエーションはよぉく似ているわけでして、
これも元々、舞台劇。
芝居としても何度か見たことがありますけれど、
映画でちらりと顔が映されるくらいの犯人の少年は、話の進行上はどうでもいいわけでして、
やはり芝居が本家だなと思うわけなんですね。
この「キサラギ」も、このタイトルながらヒロイン如月ミキ(映画ですから、少々の映像が入りますが)は
どうでもいいわけです。
そうなってくると、やはりその場で展開するドラマの緊迫感に着目すれば、
これも芝居の方が優るかもしれないと思うのでありました。

