これが、「ザ・マジック・アワー」にも言えることなのですね。
ボスの女と好い仲になってしまったことが見つかって、
幻の殺し屋・デラ富樫を5日以内に
探しだしてこなくてはならなくなったビンゴ君(妻夫木聡)。
どうにも見つけることができずに取った窮余の策は、
殺し屋役の俳優を連れてきてボスに引き合わせること。
連れてきたのが俳優だとは、ボス(西田敏行)も気付かず、
連れてこられた俳優(佐藤浩市)も映画の撮影だとばかり
思っているということが誘う、いたぁい笑い。
スティーヴ・マーティン、チェヴィー・チェイス、
マーティン・ショートが出演した「サボテン・ブラザース」ではないかと。
まるで「荒野の七人」のような盗賊集団のカモにされている村が、
名うてのガンマンに守ってもらおうと町へ用心棒探しに行くのですが、
映画の中で大活躍する「サボテン・ブラザース」を正義の味方と勘違い。
雇われた方もてっきり新作映画の撮影と勘違いしてのこのこ付いていったら、
始まったドンパチは、実弾飛び交う本物のガン・ファイト!だった・・・
というものなのですが、本作で佐藤浩市演ずる売れない役者も、新作の撮影だと信じて疑わず、
この誤解から、雇ったビンゴ君はハラハラ、全く気付かないボスはどぎまぎ。
幻の殺し屋は、何と変わったヤツなのだと。
それだけに、最後の方でボスが漏らす一言、
「あんた、いったい誰なのよ?」には爆笑を禁じえないのでありました。
面白く見させてもらいましたから、あれこれ言うのはお門違いとは思うのですけれど、
やっぱりこういう設定を作ることでそもそも笑える環境は整うと思うと、ちとテクニカルなのかなとも。
以前の三谷作品「笑の大学」では、
劇作者と検閲官という、それだけの関係から考えれば、
必ずしも笑えることが想像できないものだからこその「笑い」があったように思うのですね。
ま、笑いの種類も多様なわけで、文句をつけるわけでも、腐すわけでもないのですけれどね。

